林正広

林 正広

和歌山県和歌山市出身の元プロ野球選手、林 正広（はやし まさひろ）は、1952年5月25日に誕生しました。現役時代は主に内野手としてプレーし、旧姓は林 正宏でした。

アマチュア野球での軌跡

林氏は、地元和歌山の向陽高校に進学し、野球部では遊撃手として活躍しました。高校2年生だった1969年には、1学年上の好投手である藪上敏夫投手を擁し、春の選抜高等学校野球大会への出場を果たしました。しかし、1回戦で三重高校と対戦し、相手エース上西博昭投手の前に打線が沈黙し、初戦敗退を喫しました。同年夏の甲子園県予選では、準決勝で箕島高校と対戦しましたが、後にプロ入りする島本講平投手に完封負けを喫し、甲子園出場はなりませんでした。翌1970年夏も甲子園を目指しましたが、県予選準々決勝で新宮商業高校との延長13回に及ぶ熱戦の末に惜敗し、在学中に夏の甲子園の土を踏むことは叶いませんでした。

高校卒業後、林氏は社会人野球の強豪である住友金属に入社し、ここでも遊撃手としてプレーを続けました。都市対抗野球大会をはじめとする主要な大会で中心選手として活躍を見せました。その実力が評価され、1971年のドラフト会議で南海ホークスから9位で指名を受けましたが、この時点でのプロ入りは見送り、チームに残留する道を選びました。社会人での経験を積み重ね、1975年の社会人野球日本選手権では、住友金属の三番打者としてチームを牽引し、準決勝まで勝ち進みました。準決勝では鐘淵化学と対戦し、相手投手宮田典計投手の前に完封負けを喫し決勝進出は逃しましたが、この大会での活躍が評価され、優秀選手賞に選出されました。

プロ野球選手として

社会人野球での実績を残した後、林氏は再びプロからの誘いを受けました。1975年のドラフト会議で、近鉄バファローズから4位指名を受け、これを受諾してプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

近鉄に入団後、林氏は内野のユーティリティプレイヤーとして様々なポジションを守りました。プロでの最初の公式戦出場は、1976年6月2日、日生球場で行われた阪急ブレーブスとの前期10回戦で、9回表に二塁手として守備に就いたのが始まりです。プロとして初めて先発メンバーに名を連ねたのは、その数日後の1976年6月7日、後楽園球場での日本ハムファイターズとの前期11回戦でした。この試合では「8番・三塁手」として出場しました。そして、プロ入り初安打もこの試合で記録しています。2回表に相手投手、藤原真氏から放った単打がプロでの記念すべき初ヒットとなりました。

キャリアの中で最も多くの出場機会を得たのは1980年シーズンでした。この年は主に二塁手として起用され、年間40試合に出場し、そのうち12試合では先発メンバーとして出場しました。この1980年には、プロ入り後初の記録も複数達成しています。


1980年には、近鉄バファローズがリーグ優勝し、日本シリーズに進出しました。林氏もこの日本シリーズに出場機会を得ました。代打として打席に立ちましたが、3打数で安打は生まれず、2三振を喫しました。

1980年以降は、チーム事情や競争もあり、次第に一軍での出場機会が減少していきました。若手選手の台頭などもあり、レギュラーの座を掴むには至りませんでした。

背番号については、入団から1980年、そして引退年の1985年は「52」を着用しました。1981年から1984年の間は「23」に変更しています。

1985年シーズンを最後に、林正広氏は現役生活にピリオドを打ちました。プロ野球選手としては10年間、そのキャリアを通じて内野の控えとしてチームを支えました。高校、社会人、プロと野球一筋の人生を歩み、特に社会人時代には全国レベルでの活躍も見せました。惜しくもプロでは大輪の華を咲かせるところまでは至りませんでしたが、堅実なプレーでチームに貢献しました。

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