枝川停留場

枝川停留場：いの町の歴史を刻む路面電車停留場

1907年、明治時代の活気に満ちた時代、高知県吾川郡いの町枝川に枝川停留場が開業しました。これは、土佐電気鉄道伊野線の延伸、枝川～伊野間開通と同時に設置された停留場です。当時、高知市方面への路線は咥内まで伸びていましたが、咥内坂という急勾配のため、伊野線はトンネルを掘削する必要があり、枝川～伊野間の開通が先行したのです。翌年には残りの区間が開通し、伊野線は全通を迎えました。

変化と発展：時代とともに歩む停留場

開業以来、枝川停留場は地域住民の生活に密着し、時代とともに変化を遂げてきました。特に、かつて伊野線を阻んだ咥内坂は、1960年代の改良工事によってトンネルが撤去され、スムーズな運行が可能となりました。この工事は停留場周辺の軌道移設工事にも影響を与え、現在の停留場の姿へと変貌を遂げたのです。

停留場の構造と特徴

枝川停留場は、東西方向に伸びる単線の軌道を挟んで相対式ホームを配置したシンプルな構造です。北側にははりまや橋方面行きホーム、南側には伊野方面行きホームがあり、はりまや橋方面行きホームには広々とした安全地帯と待合室が設けられています。他の停留場と比較して、枝川停留場は軌道が北側に寄っているため、伊野方面行きホームにも安全地帯が確保されているという特徴があります。また、利用者の利便性を考慮し、駐輪場も設置されています。かつては列車交換設備も備えていましたが、1977年の八代信号所復活に伴い廃止されました。

1907年から現在まで：歴史の年表

1907年（明治40年）11月7日: 伊野～枝川間の開通により、土佐電気鉄道の停留場として開業。
1908年（明治41年）2月20日: 枝川～咥内間が開通し、伊野線全通。
1977年（昭和52年）: 交換設備廃止。
2014年（平成26年）10月1日: 土佐電気鉄道が高知県交通・土佐電ドリームサービスと経営統合し、とさでん交通が発足。とさでん交通の停留場となる。

周辺環境：鉄道と生活が交差する場所

枝川停留場の周辺には、四国旅客鉄道（JR四国）土讃線の枝川駅があり、鉄道と路面電車のアクセスが容易にできる立地です。また、北側には高知県運転免許センターがあり、様々な施設が集まる地域となっています。国道33号沿いに位置し、「枝川」バス停も近く、公共交通機関の利便性も高いと言えます。

伊野線における位置づけ

伊野線において、枝川停留場は中山停留場と伊野商業前停留場の中間に位置します。地域住民の生活を支える重要な交通拠点として、これからもいの町の発展に貢献していくことでしょう。

参考文献

* 土佐電鉄の電車とまちを愛する会『土佐電鉄が走る街 今昔』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2006年。ISBN 4-533-06411-6。

結論

枝川停留場は、1世紀以上にわたり地域に寄り添い、人々の暮らしを支え続けてきた、歴史と文化を感じさせる場所です。これからも、いの町の発展とともに、その役割を担い続けることでしょう。

もう一度検索