柏会

柏会（かしわかい）について

柏会は、1908年から1916年までの間、第一高等学校（現在の東京大学）に所属する学生たちによって組織された聖書研究の団体であり、内村鑑三の指導を受けていました。

結成の経緯

このグループは、第一高等学校の校長であった新渡戸稲造の影響を受けて、読書会グループとしての活動から発展しました。新渡戸稲造からの紹介状を手にした学生たちは、東京の柏木にいる内村鑑三の聖書研究会への参加を決定し、1908年にその活動を始めます。この出来事がきっかけとなり、内村の指導下での新たな聖書研究の場として柏会が創設されました。

活動内容

初回の会合は1908年10月29日に開催され、設立当初は約20名の会員が参加していました。柏会では聖書研究を主な目的としており、信仰に基づく学びや議論が行われました。内村鑑三との密接な関係を通じて、会員たちは宗教や倫理に関する知識を深め、自身の信仰をさらに強めることを目指しました。内村の聖書研究会には、当時「東京教友会」という別のグループも存在していましたが、内村が柏会という名称を付けたことで、この新しい団体の独自性が強調されました。

主な会員

柏会のメンバーには、後に信仰的な道を歩む多くの著名人が名を連ねました。例えば、江原万里、金沢常雄、黒崎幸吉、塚本虎二、矢内原忠雄、藤井武などがいます。これらの人物は、柏会での経験を基に、精力的に信仰を広め、各自の道を切り開いていきました。

解散とその後

しかし、1916年10月に柏会は解散を迎えます。この解散後、多くの会員たちは新たに「エマオ会」を結成しました。この集団は、純粋な信仰による結びつきを強め、さらなる信仰の探求を続けました。

参考文献

柏会に関する理解を深めるための参考文献として、以下の書籍があります。関根正雄の『内村鑑三 〈人と思想〉』や鈴木範久の『内村鑑三』、内村美代子の『晩年の父内村鑑三』などが挙げられます。これらの文献は柏会及び内村鑑三の思想を探る上で非常に貴重です。

結論

柏会は、内村鑑三の影響を受けながら、信仰に基づく学びを深めた重要な集団であり、その活動は日本におけるキリスト教思想の発展にも寄与しました。解散後もエマオ会としてその理念は引き継がれ、会員はそれぞれの道を進んでいったのです。

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