柏原成光

柏原成光（かしわばら しげみつ）氏は、1939年生まれの日本の編集者であり、日本語教師としても活動しました。彼は、かつて筑摩書房の社長を務めた人物としても知られています。

経歴

東京府（現在の東京都）で生まれた柏原氏は、東京大学文学部東洋史学科を卒業後、1964年に筑摩書房へ入社しました。編集者として、季刊誌『人間として』や『文芸展望』などの編集に携わり、出版業界でその才能を発揮しました。1997年には、筑摩書房の代表取締役に就任し、経営者としての手腕も発揮しました。

1999年に筑摩書房を退社した後、風濤社の相談役として活動しました。その後、共立女子大学などで非常勤講師を務め、2004年に全ての職を退きました。2004年以降は、教育者としての道に進み、2011年までの7年間、中国の延辺大学、西南科技大学、蘇州大学で日本語教師として教鞭を執りました。異文化の中で日本語を教えるという貴重な経験を通して、国際的な視野を広げました。

著書

柏原氏は、編集者としての経験や自身の人生を綴った複数の著書を出版しています。

『黒衣の面目 編集の現場から』（風濤社、1997年）
『本とわたしと筑摩書房』（パロル舎、2009年）
『中国暮らしやってみました 65歳からの日本語教師』（風濤社、2012年）
『友 臼井吉見と古田晁と 出版に情熱を燃やした生涯』（紅書房、2013年）
『人間 吉村昭』（風濤社、2017年）

これらの著書を通して、出版業界の裏側や、自身の編集者としての情熱、そして中国での日本語教師としての生活を垣間見ることができます。

人物

柏原氏は、編集者としてだけでなく、経営者、教育者としても多彩な才能を発揮した人物です。出版業界の第一線で活躍した経験と、晩年には中国で日本語教師として異文化に貢献した経験は、彼の人物像を語る上で欠かせない要素です。出版業界への深い造詣と、教育への情熱を持ち合わせた人物と言えるでしょう。

参考文献

柏原成光『友 臼井吉見と古田晁と 出版に情熱を燃やした生涯』（紅書房、2013年）
* 永江朗『筑摩書房それからの四十年』（筑摩選書、2011年）

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