宇佐海軍航空隊

宇佐海軍航空隊とは

宇佐海軍航空隊は、1939年10月1日に大分県宇佐市の柳ヶ浦に設立された大日本帝国海軍の航空部隊です。この航空隊は、艦上爆撃機や艦上攻撃機の搭乗員および偵察員の教育を実施する役割を担っていました。特に、太平洋戦争開戦時には、日本国内で唯一の艦上爆撃機に関する延長教育を行う航空隊であり、その規模や重要性は際立っていました。

開隊の背景

この航空隊の設立は、ロンドン軍縮条約の期限が切れる中で、日本海軍が戦力の増強を計画した「③計画」の一環でした。新たに設置される航空隊のひとつとして、特に大分県宇佐郡柳ヶ浦地区が選ばれたのは、周防灘に面しており、容易に洋上爆撃や雷撃訓練が行える立地条件に恵まれていたからです。また、呉鎮守府に近く、航空母艦を招いて実施される発着艦訓練が容易だった点も大きな魅力でした。

主な活動と実績

設立後、宇佐海軍航空隊は様々な訓練を行いながら、その教育部隊としての役割を全うしました。特に、艦上爆撃機および艦上攻撃機の搭乗員に対する延長教育が充実しており、他の航空隊と比較して、その規模や重要性において一番の存在であり続けました。1945年には特攻攻撃を実施する神風特別攻撃隊「八幡護皇隊」を編成し、沖縄戦において特攻攻撃を行いました。

沖縄戦とその後

太平洋戦争の末期、沖縄戦では八幡護皇隊が神風特攻隊として編成され、連合軍艦艇に向けて特攻攻撃を行います。1945年4月6日、初回の特攻攻撃では36機が出撃しましたが、生還したのはわずか3機でした。続く攻撃でも多くの機体が出撃するものの、多くが戦死または行方不明となりました。

1945年5月には、宇佐海軍航空隊自体が解隊されることになります。その後は、他の海軍航空隊がこの基地を使用し続け、米軍による空襲が戦争終結直前まで続きました。

空襲の歴史

宇佐海軍航空隊は、1945年に入ってから、複数回にわたる空襲を受けています。特に、3月18日に米艦上機による初空襲をはじめとして、5月にかけて合計11回の空襲が行われました。結果、航空隊の施設は大きな被害を受け、最終的には多数の死傷者が出る事態となりました。

主な機材

宇佐海軍航空隊では、九六式[[艦上爆撃機]]や九九式[[艦上爆撃機]]、彗星、九七式[[艦上攻撃機]]、天山など、数々の主力機が使用されていました。これらの機材は、特に艦上作戦に特化した設計であり、海軍の運用として重要な役割を果たしていました。

歴代司令官

この航空隊には歴代の司令官が存在しており、内田市太郎が最初の司令官を務めました。その後、松岡知行、伊藤良秋、三浦艦三、山田豊などが後を引き継ぎ、最後の司令官は直井俊夫でした。彼らの指導の下、多くの搭乗員が訓練を受け、戦争の激動の中で果敢に任務を遂行しました。

まとめ

宇佐海軍航空隊は、太平洋戦争の中で重要な役割を果たした航空部隊であり、その活動と歴史は、日本の軍事史における重要な一ページを形成しています。航空隊の設立から解隊までの出来事は、戦争の動向や航空技術の発展に深く関連しており、当時の日本の海軍力を象徴する存在として記憶されるべきです。

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