柳家三三

柳家三三：伝統と革新を融合する落語家

柳家三三は、神奈川県小田原市出身の1974年生まれの落語家です。落語協会所属、同協会理事も務める人気落語家として知られています。本名は蛭田健司。愛称はミミちゃん。

幼少期から落語に魅せられ、中学生時代から東京の寄席に通うなど、並々ならぬ情熱を落語に注いできました。勉強が苦手だったことから、落語家を志すようになったというエピソードも有名です。十代目柳家小三治に入門を果たすまでには、一度は年齢を理由に断られるものの、高校卒業後に再挑戦し、師事することになります。

前座時代は「小多け」という名前で活動し、その後、二ツ目昇進と同時に「三三」に改名。非常に勤勉で、1日平均1席以上の高座を務めた時期もあり、年間430席を超える高座に立った年もあります。師匠である小三治氏によると、落語研究会などの経験はなく、師匠による「純粋培養」ともいえる育成過程を経ています。

2006年には真打に昇進。若手落語家による『平成噺し座』を旗揚げし、その卒業生第1号となります。

幅広い活動

三三の活動は落語の枠にとどまりません。

俳優として: 映画『しゃべれどもしゃべれども』では落語家役で主演を務めた国分太一氏に稽古をつけました。
落語監修: 小学館のビッグコミックオリジナルで連載された落語漫画『どうらく息子』の落語監修を担当しています。
全国ツアー: 47都道府県を47日間で回る落語独演会ツアーを成功させました。また、『嶋鵆沖白浪』や三遊亭白鳥氏作の新作落語「任侠流れの豚次伝」シリーズの全国ツアーも開催しています。
オンライン配信: 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、YouTubeチャンネル「三三のおすそわけ」を開設し、独演会のライブ配信などを実施。有料配信では、チケット購入者には手書きのプログラムが送付されるなど、ファンへのサービスも充実させています。
コラボレーション: 桂吉弥、柳家喬太郎、桃月庵白酒らとの二人会や三人会を開催するなど、他の落語家との共演も多いです。また、2023年には立川談春と「俺たちの円朝を聴け！ 牡丹灯籠」全国ツアーを開催しています。
その他: テレビ、ラジオ番組への出演、CM出演、舞台出演など、多岐に渡る活躍を見せています。

芸風と演目

三三の落語は、古典落語から新作落語まで幅広く演じます。得意な演目としては、廓噺、政談、怪談、そして自作の新作落語などが挙げられます。特に、三遊亭白鳥氏作の新作落語「任侠流れの豚次伝」シリーズは、全国ツアーを開催するほどの人気作品となっています。

受賞歴

数々の賞を受賞しており、その実力は高く評価されています。主な受賞歴には以下のものがあります。

第9回北とぴあ若手落語競演会大賞
平成19年度文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞
平成21年度花形演芸大賞大賞
芸術選奨新人賞（大衆芸能部門）

人物像

三三は、その卓越した話術と親しみやすい人柄で多くのファンを魅了しています。常に新しいことに挑戦し続け、伝統を守りながら現代に合わせた落語を追求する姿勢は、多くの落語愛好家から高く評価されています。甘いものが好きで、全国各地の銘菓にも詳しいという一面も持ち合わせています。

まとめ

柳家三三は、伝統と革新を融合させた独自のスタイルで落語界を牽引する存在です。落語家としての高い技術と、多方面にわたる活動は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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