柳田次男

柳田次男：日本の競馬史に名を刻んだ名調教師

柳田次男（やなぎだ つぎお）氏は、1927年1月19日、鹿児島県に生まれ、2011年4月8日、福岡県北九州市にて84歳でその生涯を閉じました。日本の競馬界において、卓越した騎手、そして多くの名馬を育て上げた名調教師として長く記憶されています。

騎手としてのキャリアは、1941年、宮崎競馬場の福徳栄次厩舎で騎手見習としてスタートしました。戦後、騎手として活躍した後、1953年に騎手を引退し、調教助手へと転身。指導者としての道を歩み始めます。

そして1964年、念願の調教師免許を取得。同年3月、阪神競馬場にて自身の厩舎を開業しました。1969年には栗東トレーニングセンターに移転し、より多くの才能ある馬たちと関わる機会を得ます。

調教師としての柳田氏は、類まれな才能と情熱で数々の名馬を育成しました。その手腕は、JRA重賞19勝を含む通算666勝という輝かしい戦績に如実に表れています。管理馬として名を馳せたのは、桜花賞、エリザベス女王杯、マイラーズカップを制したインターグロリア、宝塚記念を制したカツアール、小倉記念、小倉大賞典を制したスナークアローなど、数々の重賞勝ち馬を輩出しました。その他にも、CBC賞と京王杯オータムハンデを制したトシグリーン、京成杯とセントウルステークスを制したビコーペガサスなど、数多くの活躍馬を世に送り出しました。これらの馬たちは、柳田氏の卓越した調教技術と、馬への深い愛情によって生み出された奇跡と言えるでしょう。

1999年に調教師を勇退した後も、競馬界への貢献は止まりませんでした。競馬予想会社顧問や、JRA調教師OB会会長などを務め、後進の指導育成にも尽力しました。その指導力と人望の厚さから、多くの若手調教師や騎手が柳田氏のもとで研鑽を積みました。

柳田氏の厩舎には、後に著名な騎手や調教師となる多くの才能が所属していました。四位満教氏、柳田三千男氏、樋口弘氏、西園正都氏、上村洋行氏、細江純子氏など、多くの若者が柳田氏の元で成長を遂げ、日本の競馬界を牽引する存在となりました。特に甥である西園正都氏は、現在も調教師として活躍しており、柳田氏の血脈は現代競馬においても脈々と受け継がれています。

柳田次男氏は、その類い稀な指導力と情熱、そして馬への深い愛情をもって、日本の競馬界に大きな足跡を残しました。その功績は、多くの名馬と、彼のもとで育った騎手、調教師たちによって、これからも語り継がれていくことでしょう。 彼の残した功績は、日本の競馬史に永遠に刻まれるに値するものです。

もう一度検索