柳町 (鹿児島市)

鹿児島市柳町：歴史と変遷を辿る

柳町は、鹿児島県鹿児島市の中央部に位置する町です。かつては鹿児島城下の上町に属し、江戸時代からその名が見られました。この記事では、柳町の歴史、地理、変遷、そして現代の姿を詳しく解説します。

概要

柳町は、現在の鹿児島市の中央部に位置し、稲荷川の下流域に広がっています。郵便番号は892-0819で、2020年10月1日現在、1,397人の人口と880世帯が暮らしています。1967年に住居表示が実施され、町域の再編が行われました。また、かつて存在した栄町についても、本項で触れます。

地理

柳町は、鹿児島市の中央部に位置し、稲荷川の下流域にあります。北には大竜町、北東には春日町、南には浜町、西には上本町が隣接しています。鉄道は町域南端で鹿児島駅に接しており、鹿児島本線と日豊本線が通っています。また、町域の北部には国道10号が東西に走っています。

地名の由来

柳町という名前は、かつてこの地域が海岸線であった頃、堤防に柳が植えられていたことに由来します。埋め立てられる前の海岸線に沿って柳が植えられ、その風景が町の名前となりました。

歴史

江戸時代

柳町と栄町（当時は地蔵町）は、江戸時代から鹿児島城下の上町の一部でした。柳町は運河と船溜りがあり、漁港のような様相を呈していたとされています。国学者・白尾国柱の「倭文麻環」にも、その様子が記録されています。

明治時代から住居表示実施まで

明治時代に入ると、柳町には多くの平民が住む町人街となりました。明治4年に地蔵町は「栄町」と改称され、港町の発展を願う意味が込められました。1889年には鹿児島市が市制を施行し、柳町と栄町は鹿児島市の町となりました。しかし、1910年には火災が発生し、柳町で多くの家屋が焼失する被害が出ました。大正時代には、栄町に大蔵省専売局鹿児島製造所が置かれました。第二次世界大戦中の1945年には、鹿児島大空襲で甚大な被害を受け、多くの死傷者が出ました。

住居表示実施と町の再編

1967年、住居表示の実施に伴い、町域の再編が行われました。栄町の一部は柳町に、残りは浜町に編入され、栄町は廃止されました。柳町は春日町の一部を編入し、同時に柳町の一部を春日町に編入しました。

人口

明治時代初期から昭和時代初期にかけて、柳町の人口は変動しました。ただし、1967年の町域再編により、現在の柳町とは区域が異なるため注意が必要です。国勢調査によると、1995年以降の人口は減少傾向にあります。

施設

公共施設

柳町には、柳町福祉館や鹿児島市母子寡婦福祉会があります。これらの施設は地域住民の福祉を支える重要な役割を果たしています。

教育施設

同胞保育園が設置されており、地域の子供たちの保育を担っています。

その他

JR九州バス鹿児島支店があります。また、かつては鹿児島市電上町線が町域を通っていました。

交通

道路

国道10号が町域の北部を東西に走っています。この道路は、地域内外への交通を支える重要な動脈です。

鉄道

町域の南端から東端にかけて、九州旅客鉄道の鹿児島本線と日豊本線が通っています。鹿児島駅が境界に接しており、鉄道交通の要となっています。かつては、鹿児島市電上町線が町域内を通り、柳町電停がありました。

まとめ

柳町は、歴史と変遷を経て現代に至る町です。かつての海岸堤防に柳が植えられた風景を由来とする地名、江戸時代からの歴史、そして鉄道や国道が交差する交通の要所としての役割など、多くの特徴を持っています。この記事が、柳町への理解を深める一助となれば幸いです。

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