柴田勝豊

柴田勝豊の生涯

柴田勝豊（しばた かつとよ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。織田家宿老である柴田勝家の甥であり、その養子となったことで知られています。彼は、越前丸岡城主、後に近江長浜城主を務めましたが、養父勝家との関係が悪化し、最終的には羽柴秀吉の傘下に入るという波乱に満ちた人生を送りました。

生い立ちと柴田家へ

勝豊の生年は不明です。実父については、勝家の老臣である吉田次兵衛、または渋川八右衛門（一説には吉田次兵衛の子）であるとされています。勝家には実子がいなかったため、甥である勝豊が養子となりました。佐久間盛政、柴田勝政、佐久間勝之兄弟は、勝豊の従兄弟にあたります。

1573年頃から勝家に従い、洛中での活動に対する褒美として銀を受け取った記録が残っています。1576年には、勝家の越前移封に伴い、丸岡城の城主に任命され、4万5000石を領したと伝えられています。

織田信長への謁見と長浜城主

1581年、勝豊は養父勝家と共に織田信長の京都御馬揃えに参列し、信長に謁見しています。1582年の本能寺の変後、清洲会議で勝家は羽柴秀吉の旧領であった北近江を手に入れ、勝豊を長浜城主に据えました。

長浜城主となった勝豊は、領国経営に尽力し、湖北三郡に対して徳政令を発布したり、家臣に旧領を与えたり、竹生島への寄進を行うなどしました。

養父との不和と秀吉への転身

勝豊と養父勝家の関係は、勝家に実子（一説に勝敏）が生まれたことで悪化しました。実子の誕生により、勝豊は後継者としての立場を失い、勝家からの信頼も薄れていきました。さらに、同じ甥である佐久間盛政が勝家に重用されたことも、勝豊の不満を募らせる原因となりました。

1582年12月、羽柴秀吉の大軍が長浜城を包囲すると、勝豊は抵抗することなく秀吉に降伏し、長浜城を明け渡しました。この時、勝豊は既に病に伏せっており、開城後すぐに京都で療養生活を送ることとなりました。

賤ヶ岳の戦いと死

1583年の賤ヶ岳の戦い当時、勝豊は病気療養のため参戦できませんでしたが、家臣の山路正国と大鐘藤八を代理として養父勝家との戦いに参加させました。この行動は、勝家に対する明らかな裏切りであり、両者の間に深い確執があったことを示唆しています。

療養中、勝豊は丹羽長秀の使いから見舞いを受けたり、秀吉が派遣した医者の診察を受けたりしていましたが、1583年4月16日に死去しました。享年は不明です。一般的には京都東山の東福寺で亡くなったとされていますが、中島孝治は、勝豊が療養していたとされる京都本法寺が菩提寺である可能性を指摘しています。

勝豊の家臣

勝豊に仕えた主な家臣には、以下の人物がいます。

山路正国
亀田高綱

柴田勝豊は、戦国時代の激しい権力闘争の中で、養父との不和や自身の病に苦しみながらも、その時々の状況に応じて生き抜いた武将でした。

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