栂森 (八幡平)

栂森（つがもり）

栂森は、秋田県鹿角市と仙北市の境に広がる標高1,359メートルの山です。この山は、秋田焼山の一部であり、自然豊かな十和田八幡平国立公園の八幡平地区に位置しています。周囲の山々には、国見台があり、こちらもハイマツの緑に覆われています。栂森には、登山を楽しむためのいくつかのアクセスルートが存在しており、主な登山口は後生掛温泉口と玉川温泉口です。

登山を始めると、栂森の南方では登山道が尾根を越えていきます。このエリアでは、ホシガラスの声が響き渡り、自然と一体になる感覚を楽しめます。栂森の西斜面には「もうせん峠」と呼ばれる場所があり、この地形は焼山火山から噴出された砂礫によって形成された緩やかな斜面です。ここでは、西北風が直接吹き付けるため、樹木の成長が難しく、代わりにガンコウランと呼ばれる矮小な灌木の広大な群落が展開しています。このようなガンコウランの群落は日本国内でも特に大規模なものです。

さらに、ガンコウランに交じってコケモモやイソツツジ、コメバツガザクラ、ミネズオウなど多様な植物も生息しています。これらの植物群落では、踏むとクッションのように柔らかな感触があり、寝転ぶと羽布団のような快適さを感じることができます。また、またイワヒバリが営巣する姿も珍しくなく、自然観察をする上でも興味深い環境となっています。

栂森の頂上近くには展望台や休憩所が整備されており、登山者が息を整えたり、絶景を楽しんだりするのに最適なスポットです。山頂には環境省が設置した傾斜計や可視カメラ、熱映像カメラもあり、秋田焼山の活動を観測するための設備が整っています。この観測は2016年12月1日から開始され、地元の自然環境を守るための取り組みの一環となっています。

これらの特徴により、栂森は美しい自然の中での登山や観察が楽しめる場所として多くの人々に親しまれています。近隣の山としては国見台や秋田焼山もあり、これらを含めた登山のコースは、多くの自然ファンにとって魅力的な選択肢となっています。特に秋田の醍醐味を感じられる貴重な場所である栂森は、一度訪れる価値があるスポットです。

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