栃栄篤史

栃栄篤史の軌跡

プロフィール

栃栄篤史（とちさかえ あつし）は1974年6月27日、東京都中野区で生まれ、佐賀県佐賀郡富士町で育った元大相撲力士です。本名は岡本篤（おかもと あつし）で、春日野部屋に所属していました。身長184cm、体重158kgを誇り、得意技は主に突きと押し。彼の最高位は2001年1月場所に達した西前頭筆頭でした。趣味には演劇観賞や釣り、アウトドア活動があり、基本的にB型の性格を持っています。愛称としては「アツシ」が親しまれました。引退後は年寄「三保ヶ関」として後進の育成に尽力しています。

相撲の道へ

栃栄はいわゆる「埼玉栄高校」の出身であり、そこで高校横綱に輝くという偉業を達成しました。彼は大学には進学せず、1993年1月に春日野部屋に入門、早速初土俵を踏みました。序二段と三段目で立て続けに優勝し、5場所目には幕下に昇進。スピーディな昇進を果たしました。入門1年後は栃ノ巌に名を変えましたが、彼の願いとは裏腹に身体的な問題や怪我に悩まされる時期が続きました。特に蓄膿症の影響で右半身に麻痺が生じ、一時期は低迷を強いられました。

戦績と昇進

彼は関取の仲間入りを果たしましたが、怪我の影響で不本意な成績を重ね、15日間の稽古を全うできないことも多くありました。しかし、栃栄に改名してからは運気が向上し、1999年9月場所の三段目優勝を起点に、再度の十両昇進を果たしました。2000年9月には新入幕を果たし、以降は入幕から2場所連続で勝ち越す成績を収め、2001年1月場所に前頭筆頭に昇進しました。この名は母校である埼玉栄高校に因んでいます。

引退と指導者としての道

彼の力士生活は怪我に悩まされることが多かったものの、45場所を経験し、10場所にわたって全休または途中休場がありました。基本的には突き押し一辺倒のスタイルを特徴としており、四つ相撲は苦手でした。2008年1月場所で現役を引退し、年寄「竹縄」を襲名、後には「清見潟」、そして「三保ヶ関」と名跡を変更し、指導者として活躍しています。

エピソード

栃栄は相撲界においていくつかの興味深いエピソードがあります。例えば、2003年5月場所で途中休場したにもかかわらず、再出場し初戦が不戦勝という珍しい経験をしています。また、十両以下で6回の優勝を収めた他、引退相撲は同部屋の栃乃花と合同で行われました。これは経済的な背景や関係者の重複を考慮した結果でもありました。

最後に

栃栄篤史はその相撲キャリアの中で、多くの試練と成功を経て引退を迎えました。その後も若手力士への指導を続けながら、相撲界に貢献し続けています。彼の人生は、努力と困難の連続でしたが、相撲に対する情熱は生涯変わることがありませんでした。

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