栄村 (小惑星)

小惑星「栄村」について

小惑星「栄村」（Sakaemura、仮符号22885 Sakaemura）は、小惑星帯に存在する天体の一つです。1999年9月8日にローウェル天文台のLONEOSによって発見されました。

名称の由来と背景

この小惑星の名前は、2011年3月12日に発生した長野県北部地震で大きな被害を受けた長野県の栄村にちなんで名付けられました。命名は2012年5月9日に、他の11個の小惑星と同時に発表されました。

この命名には、東日本大震災からの復興を願う強い思いが込められています。特に、被害の大きかった被災地の地名を小惑星に命名することで、その記憶を永遠に残し、復興への道のりを星空から見守るという象徴的な意味合いがあります。

国際会議「小惑星・彗星・流星2012」と命名

2012年5月16日から新潟市の朱鷺メッセで開催された国際会議「小惑星・彗星・流星2012」が、アジアで初めて開催されたことが、この命名のきっかけの一つとなりました。この会議を記念し、日本にゆかりの深い命名が多数承認されることとなり、その一環として「栄村」を含む12個の小惑星が命名されました。

命名の原案は同会議の実行委員会で作成され、命名提案権を持つローウェル天文台のエドワード・ボーエルとの協議を経て、国際天文学連合に承認されました。

石垣島天文台での観測

国立天文台の石垣島天文台では、小惑星「栄村」の写真が撮影されています。これにより、日本国内からの観測データも得られています。

長野に由来する他の小惑星

長野県に由来する小惑星は、「栄村」の命名以前にも存在していました。ただし、それらの小惑星は、2011年の地震とは直接関係なく命名されています。

関連情報

出典
天文学者、復興を星に祈る：被災地名などを小惑星に命名 - 国立天文台
栄村の軌道要素 - JPL
関連項目
小惑星の一覧 (22001-23000)
同時に命名された小惑星：会津, 宮城, 岩手, 青森, 茨城, 栃木, 千葉県, 浜通り, 中通り, 陸前高田, 津南町
* 似たような経緯で命名された小惑星：東北, 東日本, 大震災

小惑星「栄村」は、天文学的な発見であると同時に、震災からの復興への願いを象徴する存在として、私たちの記憶に刻まれています。

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