栄臻

栄 臻の生涯と業績

栄 臻（えい しん、1891年 - 1960年）は、中華民国における著名な軍人であり、彼の生涯は多くの歴史的転機を経て展開されました。彼の字は翕生であり、軍事的なキャリアは主に奉天派とその後の南京国民政府における活動に焦点を当てられています。

軍歴のスタート

栄臻は1912年、民国元年に保定陸軍軍官学校の砲兵科に入学し、1914年には卒業を果たしました。卒業後は奉天派の李景林が指揮する部隊に加入することになります。これが彼の軍人としての人生の始まりでした。

陸軍少将への昇進

1925年、栄臻は陸軍少将に任命され、その後の1926年には東北陸軍第1師第43旅の旅長に昇進します。この時期には、張学良の指揮下で多くの軍事活動を行うこととなり、彼は徐々に重要な地位を確立していきました。

陸軍中将となる

1927年、彼は陸軍中将に昇進し、同年4月には仁威将軍という称号を授与されています。また、この年の間に第4方面軍第17軍の軍長に任命され、さらに1928年には東北辺防軍司令部の軍事庁長として任務を遂行しました。これにより、彼の軍事的な影響力はますます高まっていくことになります。

国民政府への参加

1929年、栄臻は国軍編遣委員会の第5編遣区弁事処の副主任委員に就任し、さらに1931年には東北辺防軍司令長官公署の参謀長として満州事変における軍事対応に関わりました。この時期、彼は張学良を補佐しながら大きな役割を果たします。同年8月には国民政府軍事委員会北平分会常務委員として再びその名を上げ、1935年には陸軍中将の地位を保持しました。

南京国民政府での活動

1943年には、南京国民政府の軍事委員会の委員に任命され、さらには華北政務委員会の事務主任としても重責を担いました。秋には剿共委員会の委員長に昇進しますが、1944年には蔣介石の国民政府から陸軍中将の位を剥奪されるという波乱の展開が待ち受けていました。これに続き、彼は華北政務委員会特別法庭華北分庭庭長に就任し、1945年には河北省の省長に任命されるなど、政務の力量を発揮していくこととなります。

戦後の終焉

日本の敗北後、栄臻は蔣介石の国民政府に逮捕され、軍事法廷で死刑判決が下されましたが、彼の死刑は執行されず、1960年に病によってこの世を去ります。その生涯は、軍事的な成功と共に数々の政治的変動を巻き起こした波乱のものでした。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。
• - 余子道ほか『汪偽政権全史 下巻』上海人民出版社、2006年。
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。

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