栗ケ沢城

栗ケ沢城（くりがさわじょう）

栗ケ沢城は、現在の千葉県松戸市栗ケ沢、根木内、小金原一帯に存在したとされる日本の城です。築城時期については諸説あり、寛正元年（1460年）に高城胤忠によって築かれたとする説と、永正3年（1506年）に高城胤吉が栗ケ沢に陣を構えたことに由来するという説があります。しかし、「本土寺過去帳」には、永享9年（1437年）に高城四郎右衛門清高が「クリカサワ」で没したという記録があり、15世紀前期には既に高城氏の居館が栗ケ沢に存在していた可能性も指摘されています。

高城氏の拠点は、後に根木内城や小金城に移りますが、高城胤則の時代には、重臣である田島時定が栗ケ沢の城代を務めていたと伝えられています。このことから、栗ケ沢城は高城氏にとって重要な拠点の一つであったと考えられます。

現在、栗ケ沢城の跡地は宅地開発によって整地され、松戸市立根木内中学校やユーカリ交通公園を中心とした住宅地となっています。そのため、当時の遺構を確認することは非常に困難です。しかし、古い地図に基づいて推定すると、城郭は坂川と富士川の最上流域の北側に突き出した台地上に南北約350メートル、東西約120～150メートルにわたって広がっていたとされています。さらに、そこから東南に伸びる谷津に突出した丘の上には、城郭に付随する形で居館部があったと考えられています。

また、城郭部から約500メートル北の台地上には、高城氏の次の拠点となったとされる根木内城が存在していました。このことから、栗ケ沢城は根木内城への移行期における重要な役割を担っていたと考えられます。

参考文献

千野原靖方　『東葛の中世城郭』　崙書房、2004年、ISBN 4-8455-1101-0、117-119頁。

関連項目

日本の城一覧
* 千葉県の城

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