栗原益男

栗原益男

栗原益男（くりはら ますお、1918年7月13日 - 2000年9月8日）は、日本の東洋史学者であり、上智大学の名誉教授を務めた人物です。彼の研究は、中国の唐五代史、特に藩鎮の研究において多大な貢献をしました。

生涯

誕生から学生時代

1918年、栗原益男は埼玉県川越市に生まれました。1940年に東京帝国大学（現在の東京大学）文学部東洋史学科に入学し、1942年に卒業しました。学生時代から唐五代の藩鎮に関心を抱き、大学院に進学しましたが、第二次世界大戦の影響で学業を中断せざるを得ませんでした。

戦時中の経験

大学院在学中に陸軍に応召され、終戦直前には玄界灘で乗っていた艦が魚雷に接触し、脊椎を骨折する重傷を負いました。九死に一生を得て、療養中に終戦を迎えるという苦難の時代を経験しました。

戦後の研究活動

1946年に東京大学大学院に復学しましたが、腹膜炎や結核などの病に苦しみ、療養生活を送りながら研究を続けました。その後、上智大学文学部の助教授となり、後に教授に昇格しました。教鞭を執る傍ら、研究活動にも精力的に取り組み、多くの論文や著書を発表しました。

1987年4月には自宅で倒れるというアクシデントに見舞われましたが、懸命なリハビリを経て10月には職場に復帰しました。1988年3月に上智大学を定年退任し、名誉教授となりました。

2000年9月8日、栗原益男は腎不全のため、82歳で生涯を閉じました。

業績

栗原益男は、唐五代史、特に藩鎮の研究において数多くの業績を残しました。彼の研究は、当時の政治、経済、社会構造を明らかにする上で重要な貢献を果たしました。

著書

『乱世の皇帝：“[後周]]"の世宗とその時代』 [[桃源社] 1968
『アジアのあらし』(世界の歴史 6) 山口修共著 集英社 1968
『宋朝とモンゴル』(世界の歴史 6) 山口修共著 [社会思想社] 1974
『隋唐帝国』(中国の歴史 4) 布目潮渢共著 講談社 1974
『五代・宋初藩鎮年表』 東京堂出版 1988

記念論集

『中国古代の法と社会』 栗原益男先生古稀記念論集編集委員会 汲古書院 1988

参考文献

石田勇作 2001「栗原益男先生を偲んで」『上智史學』46, 275-278頁.PDF
關尾史郎. “栗原益男先生を偲んで”. 新潟大学人文学部

栗原益男は、その学問的業績だけでなく、温厚な人柄で多くの学生や研究者から慕われました。彼の研究は、現在もなお、東洋史学の研究において重要な参考文献として活用されています。

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