布目潮渢

布目潮渢（ぬのめ ちょうふう）

布目潮渢（1919年5月13日 - 2001年1月17日）は、日本の東洋史学者、中国学者であり、唐代史を専門としていました。大阪大学名誉教授であり、茶の文化と歴史の研究、特に陸羽『茶経』の翻訳で広く知られています。

経歴

出生から修学期

1919年、日蓮宗の宣教師であった父の赴任先であるハワイで、四人兄弟の長男として生まれました。出身地は愛知県名古屋市中川区です。東京帝国大学文学部東洋史学科で学び、1943年に卒業。卒業後は海軍予備学生として軍務に就き、中尉として終戦を迎えました。

太平洋戦争後

戦後は東洋文庫研究員となり、東方文化研究所助手となりました。その後、関西に移り、京都府立京都第一女学校や鴨沂高等学校で教鞭をとりました。1950年12月には、西京大学助教授に就任。1957年に立命館大学助教授となり、1959年に教授に昇格しました。

1967年、大阪大学教養部教授に転任。1971年には、学位論文『隋唐史研究：唐朝政権の形成』を東京大学に提出し、文学博士号を取得しました。1976年から1978年までは、教養部長も務めました。1983年に大阪大学を定年退官し、名誉教授となりました。同年4月からは摂南大学教授として教鞭をとり、1992年に退職。その後も佛教大学などで講義を行いました。また、阪神タイガースの大ファンであったことでも知られています。

2001年に逝去されました。

受賞・栄典

1992年秋：勲三等旭日中綬章を受章。

家族・親族

四人兄弟で、妹が2人と弟が1人います。

著作

著書

『隋唐史研究 唐朝政権の形成』東洋史研究会(東洋史研究叢刊) 1968、新版 同朋舎 1979年
『[隋]]の煬帝と唐の太宗：暴君と明君、その虚実を探る』清水書院] 1975、改訂新版 [清水書院] 2018年、新書化改題『つくられた暴君と明君・[[隋の煬帝と唐の太宗』清水新書 1984
『緑芽十片：歴史にみる中国の喫茶文化』岩波書店 1989、改題『中国喫茶文化史』岩波同時代ライブラリー 1995、文庫化 岩波現代文庫 2001年
『中国名新潮選書'>[茶]]紀行』[[新潮社] 1991
『「貞観政要」に学ぶ道義の経営学 権謀術数を排し、王道を確立せよ』マネジメント社 1991、選書改題『「貞観政要」の政治学』岩波同時代ライブラリー 1997
『[中国茶]]文化と日本』[[汲古書院] 1998
『[中国茶]]の文化史：固形茶から葉茶へ』[[研文出版] 2001
『布目潮渢中国史論集』(全2巻) 汲古書院 2003-2004

共著

『唐才子伝之研究』中村喬共著、アジア史研究会 1972
『六朝と現代教養文庫'>[隋]]唐帝国』(世界の歴史 4) 山口修共著、[[社会思想社] 1974
『隋唐帝国』(中国の歴史 4) 栗原益男共著 講談社 1974、文庫化 講談社学術文庫 1997
『東アジア史入門』山田信夫共編、法律文化社 1975
『中国本土地図目録』東京大学総合研究資料館所蔵資料、本田治共編、アジア史研究会 1976、増補版『中国本土地図目録』松田孝一共編、東方書店 1987
『中国茶書全集 複製』汲古書院 1987
『[中国茶]]と茶館の旅』平野久美子・周渝共著、[[新潮社] 2004

訳書

(記載なし)

記念論集

『東アジアの法と社会』布目潮渢博士記念論集刊行会編集委員会、汲古書院 1990年

参考文献

大阪大学東洋史学研究室の歴史(大阪大学)
* 「布目潮渢教授略年譜・業績目録」『大阪大学教養部研究集録 人文・社会科学』1983年

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