栗丘駅

栗丘駅

栗丘駅は、北海道空知総合振興局管内の岩見沢市栗沢町栗丘に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の駅です。現在は無人駅として運営されており、電報略号は「クオ」と定められています。

歴史

栗丘駅の起源は、太平洋戦争中の1943年9月25日に設置された国有鉄道室蘭本線の「栗丘信号場」に遡ります。これは戦時下の輸送力増強を目的としたものでした。しかし、終戦とともにその役割を終え、廃止される予定でした。

転機が訪れたのは1946年4月1日。地元の有志による熱心な陳情活動と、ホームを設けるなどの取り組みが実を結び、信号場は旅客駅へと昇格し、「栗丘駅」が開業しました。開業当初は、信号場の建物がそのまま駅舎として流用されたため、旅客待合室がありませんでした。

駅機能の拡充は続き、1947年12月1日には車扱貨物の取扱いを開始。翌1948年11月には駅舎が増築されました。しかし、時代の流れとともに貨物需要は減少し、1972年3月15日に貨物取扱いが廃止されます。さらに1980年5月15日には荷物取扱いも廃止され、これと同時に駅の無人化が実施されました。

無人化後の1982年には駅舎の改築が行われ、現在の駅舎が建てられました。国鉄分割民営化に伴い、1987年4月1日からはJR北海道に継承されています。

1990年4月23日には、栗山駅との間に位置する栗山トンネルの一部が崩壊するという出来事がありました。これにより、栗山駅 - 当駅間の下り線が使用不能となり、この区間は単線化されることとなりました。

駅構造

現在の栗丘駅は、単式ホーム1面1線を持つ地上駅です。ホームは線路の東側に配置されており、これは岩見沢方面に向かって右手にあたります（かつての上り1番線ホームに該当）。駅には転轍機（ポイント）がなく、列車の交換ができない「棒線駅」となっています。

かつては、単線区間と複線区間の境界に位置する列車交換可能な駅であり、相対式ホーム2面2線を有していました。駅舎側のホームが上り1番線、反対側のホームが下り2番線でした。両ホームは中央部付近に設置された跨線橋で連絡されていました。現在も、廃止された旧ホームや跨線橋の一部、使用されなくなった下り線などの施設が残されています。ホームの岩見沢方の線路がわずかにカーブしているのは、過去に転轍機が設置されていた名残りです。

駅舎は構内の東側、岩見沢方面に向かって右手に位置し、単式ホームの北側にホームと直角に接して建てられています。この駅舎は無人化後の1982年に改築されたもので、JR北海道の他の無人駅、例えば安平駅や三川駅、古山駅などと同型のデザインですが、栗丘駅の駅舎はやや短縮された構造となっています。駅舎内には待合スペースが設けられています。

駅名の由来

駅名は、その所在地である地名「栗丘」に由来しています。

駅名の起源についてはいくつかの説が存在します。1973年に刊行された国鉄北海道総局の『北海道 駅名の起源』では、駅付近の小高い丘に栗の木が多く生えていることから名付けられたという、素朴な和名説が紹介されています。

しかし、これとは別に、アイヌ語の「クッタㇽウㇱ（kuttar-us）」、すなわち「イタドリ・多い〔沢〕」に漢字を当てたものではないかという説や、1940年に設定された地域の部落会名が由来であるとする説も存在しており、確定的な由来は一つに絞られていません。

利用状況

栗丘駅は1980年から無人駅となっており、詳細な乗車人員や利用状況に関する公式なデータは公開されていないことが一般的です。

駅周辺

駅周辺は、広大な田園地帯が広がるのどかな農村集落です。地域には、農業を営む方々が経営する、いわゆるファームレストランも見られます。また、周辺にはいくつかのゴルフ場が点在しており、この一帯は「ゴルフ場銀座」と呼ばれることもあります。

主な交通路としては、国道234号線や北海道道340号栗丘幌向停車場線が通っています。公共交通機関としては、北海道中央バス（岩見沢営業所）の「栗丘」停留所が近くにあります。

その他、周辺にはオフロードバイクのコースである栗丘ライディングパークがあり、大会などが開催されることもあります。自然を楽しむ場所としては、栗の森公園や北長沼水郷公園などがあります。

その他

前述の通り、かつては由仁駅から栗丘駅までが複線区間でしたが、1990年の栗山トンネル崩落事故により、栗山駅と栗丘駅の間の下り線が廃止され、この区間は単線での運行となっています。

隣の駅

JR北海道 室蘭本線における隣駅は以下の通りです。

栗山駅 - 栗丘駅 - 栗沢駅

（脚注および出典は割愛します）

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