核兵器廃絶・平和建設国民会議

核兵器廃絶・平和建設国民会議（KAKKIN）

核兵器廃絶・平和建設国民会議（KAKKIN）は1961年に創設された市民団体で、主に反核と平和の理念を掲げて国民運動を展開しています。
この団体は原水爆禁止日本協議会（原水協）からの分派であり、民社党及び全日本労働組合会議からの労組が加わる形で立ち上げられました。初代議長には松下正寿が選出され、2014年1月には現在の名義に改称しました。

歴史的沿革

1961年8月15日には「核兵器禁止・平和建設国民大会」が東京都体育館で行われ、約1万人が集まり、当時の日本の最大の反核・平和運動の象徴となりました。同年11月には公式に「核兵器禁止平和建設国民会議」としてスタートし、議長には松下正寿が選出されました。初代の事務局長は寒河江善秋が務めました。この新しい組織は、誕生時から自民党のサポートを受け、党総裁の池田勇人からも祝辞が送られました。

設立時より、核禁会議は民社党および全日本労働総同盟から支援を受けて活動し、原水協や原水禁とは異なる立場を取ることになります。1966年にはアジア核禁会議を初めて開催し、国際的にも活動を広げました。

松下議長は1967年の東京都知事選挙に自民党と民社党の推薦で出馬しましたが惜しくも敗北しました。1987年以降、連合と一緒に広島や長崎で「平和集会」を行うようになりましたが、原子力発電に対する立場の違いから原水禁との距離が生まれました。

2011年の福島第一原子力発電所事故後、期待されていた国民的対話は困難となり、両団体の対立は再燃しました。2013年、平和大会は連合のみの開催へと移行し、核禁会議と原水禁は共催できなくなりました。このように、時代の推移とともに団体内部の意見の相違も顕著になってきています。

主張内容

核禁会議は、広島・長崎への核攻撃を行ったアメリカ合衆国を含むすべての国の核武装に反対する立場を前面に出しています。他の反核団体とは異なる点として、核兵器廃絶の願いを持ちながらも「平和のための原子力」を主張し、原子力発電の推進を掲げています。これは原水禁が見せる脱原発の動きと対立するもので、社会主義国に対する見解の違いからも理解できる部分です。

このような立場は震災以降も維持され、原発問題における既存の主張との対立を生む要因となっています。今日でも連合と強い関係を保ちながら活動しており、日本国内外での核廃止に向けた取り組みを続けています。

参加団体

KAKKINに参加する団体は多岐にわたり、日本労働会館や富士社会教育センター、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟、三菱自動車工業労働組合などが名を連ねています。これらの団体は核兵器の廃絶や平和の構築に向けて共同で活動しています。

結論

核兵器廃絶・平和建設国民会議の活動は、日本における核兵器反対運動の重要な要素となっています。その理念と活動は多くの人々に影響を与え続け、今後の政策や国際的な議論にも大きく寄与することが期待されます。

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