根曽古墳群

根曽古墳群について

根曽古墳群（ねそこふんぐん）は、長崎県対馬市美津島町に所在する古墳群です。この地域には、国の史跡に指定された古墳が5基あり、特にその中には対馬では異例となる前方後円墳が3基含まれています。

古墳群の概要

根曽古墳群は、対馬の東海岸に位置する雞知浦の岬に築かれた一連の古墳から成り立っています。現在確認されている古墳は、前方後円墳が3基、円墳が2基、さらに位置不明の古墳が1基の合計6基です。この古墳群の調査は、1922年に後藤守一によって始まり、当初は4基が発見され、その後1948年に東亜考古学会による調査が行われ、最終的に5基が確認されました。

古墳群の築造時期は6世紀頃と考えられています。特に前方後円墳は、畿内型古墳の典型であり、対馬地域では非常に珍しい形状です。近隣には、より古い時代の出居塚古墳やサイノヤマ古墳も存在し、これらの存在は、当時の対馬が畿内のヤマト王権の影響下にあったことを物語っています。さらに、被葬者に関する考察では、史記に名前の見える対馬県直やその関連豪族の墓と考えられています。

古墳群の位置と文化的背景

対馬の中心は弥生時代には西海岸にあったと見られていますが、古墳時代に入ると、計画的に東海岸の雞知浦に移動し、今の根曽古墳群が形成されました。そして律令制度においては、さらに南方にある厳原地域へと移動します。これらの歴史的変遷は、対馬の文化と社会構造を理解する上で重要な側面です。

1976年に、根曽古墳群のうち6号墳を除く5基が国の史跡に指定され、文化財として保存されています。

個別古墳の紹介

1号墳

• - 墳形：前方後円墳
• - 規模：墳丘長30メートル、後円部直径14.5メートル

丘陵の山頂付近にあり、前方部は北方に向いています。石室は破壊されているものの、副葬品として鉄製品や碧玉製の玉が出土しました。

2号墳

• - 墳形：前方後円墳
• - 規模：墳丘長36メートル

群内で最大の規模を持ち、原形が保持されています。埋葬施設は主室と副室の2ヶ所あり、土器や鉄剣が見つかっています。

3号墳

• - 墳形：不明（または円墳）

位置が近いとされ、板石の横穴式石室が存在しますが、副葬品は見つかっていません。

4号墳

• - 墳形：前方後円墳か

現時点では消滅していますが、岬の先にあったとされています。

5号墳

• - 墳形：円墳

4号墳近くにあり、箱式石棺で構成されています。

6号墳

• - 墳形：円墳

直径が5メートルで、国の史跡には指定されていない小型の古墳です。

まとめ

根曽古墳群は、日本の古墳時代における重要な遺跡であり、地域の歴史や文化を探る手がかりとなる貴重な資源です。これらの古墳を通じて、当時の社会構造や文化的背景を理解することができるでしょう。

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