桂元忠

桂元忠（かつら もとただ）

桂元忠は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将です。毛利氏の家臣であり、五奉行の一人として知られています。桂広澄の次男として生まれ、兄に桂元澄、弟に桂就延、桂保和がいます。後に桂就宣を養子としました。官途は上総介。

生涯

桂元忠は、毛利氏の家臣である桂広澄の次男としてこの世に生を受けました。大永4年（1524年）に父・広澄が自刃すると、兄である桂元澄と共に桂城に籠もり、毛利氏に対して抵抗しました。しかし、毛利元就の説得に応じ、最終的には降伏することとなりました。

天文19年（1550年）7月12日から7月13日にかけて、毛利元就による安芸井上氏粛清事件が発生しました。その直後の7月20日、毛利氏家臣団238名が毛利氏への忠誠を誓う起請文に連署し、その中で桂元忠は8番目に「桂左衛門大夫元忠」として署名しています。この署名は、彼が毛利氏家臣団の中で一定の地位を占めていたことを示しています。

同じく天文19年（1550年）に毛利隆元の主導で五奉行制度が始まると、元忠はその正直な性格を元就に高く評価され、五奉行の一員として活動することになりました。五奉行の中では、児玉就忠と同様に親元就派であり、赤川元保、国司元相、粟屋元親ら親隆元派とは意見を異にすることがありました。しかし、隆元が元就の隠居を止める書状を元忠に送るなど、元忠は元就と隆元の間を取り持つ役割も担っていました。

弘治3年（1557年）12月2日、防長経略が終わった後、毛利氏家臣239名が軍勢狼藉や陣払の禁止を誓約した連署起請文において、12番目に「桂左衛門大夫」として署名しています。この署名からも、彼が毛利氏の重要な家臣の一人であったことがうかがえます。

元亀元年（1570年）頃までは、五奉行として活動していましたが、元亀3年（1572年）からは養子の就宣が五奉行の職を引き継ぎました。元忠のその後の消息については、詳しい記録が残っておらず、不明な点が多いのが現状です。

桂元忠は、毛利氏の家臣として、五奉行の一人として、その生涯を毛利氏のために尽くしました。彼の正直な性格と、元就と隆元の間を取り持つ役割は、毛利氏の安定に大きく貢献したと言えるでしょう。

参考文献

防長新聞社山口支社編 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年3月。
『萩藩閥閲録』巻20「桂勘右衛門」

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