桂小南 (2代目)

二代目 桂小南の生涯と業績

二代目桂小南（かつら こなん、1920年1月2日 - 1996年5月4日）は、東京で上方落語を演じた名高い落語家である。特に『いかけ屋』という演目で知られ、その独自のスタイルや表現力は多くの人々に愛されてきた。本名は谷田金次郎であり、京都府で生まれ育った。

幼少期と初期の経歴

1920年に京都府北桑田郡山国村（現・京都市右京区）に生まれた小南は、左官業を営む家庭に育った。少年期に学校を卒業した後、1933年に京都市にある印刷店に奉公し、1年後には呉服問屋に転職した。この仕事を5年間続けた後、彼は上方落語の道へ進む決意をする。

落語家としての道

1939年、小南は三代目三遊亭金馬の内弟子となり、名を「金太郎」と名乗る。しかし、当初は金馬が映画界に関わっていたため、寄席に出る機会は限られていた。その後、彼は太平洋戦争に従軍し、1945年に復員。1951年には二代目桂小文治の門下に移籍し、1958年には二代目桂小南を襲名して真打に昇進した。

上方落語への転向

丹波なまりの影響を受け、出世に苦しんでいた小南は、金馬の助言で上方噺に転向することとなった。これまでの江戸噺を封印し、大阪の寄席に出演しながら、若手の落語家たちから上方噺を学んだ。特に、橘ノ圓都からの教えは彼にとって大きな影響を与えた。

独特なスタイル

小南の落語は、独特の口調と技巧によって「小南落語」とも称されている。彼は生涯にわたり「稽古の鬼」として知られ、舞台でも卓越したパフォーマンスを見せ続けた。1969年には文化庁芸術祭大賞を受賞し、その後も多くの賞を獲得している。

晩年と死去

1984年には、数人の弟子が落語芸術協会を脱退し、落語協会に移籍する出来事があった。1990年には紫綬褒章を受章し、1996年5月4日、脳梗塞により76歳でこの世を去った。

主要な演目と著作

小南が得意とした演目は200を超え、中でも『いかけ屋』『帯久』『菊江の仏壇』などが有名である。彼の演技は現在も多くのファンに支持されており、LPレコードもリリースされている。また、彼は古典落語を小学生向けに著書を出版し、学校寄席を開くなど、落語文化の普及に努めた。

弟子たちと影響

小南の弟子には、桂南八や桂南治など、多くの落語家がいる。彼らは東京の寄席で活躍し、小南の教えを受け継いでいる。

二代目桂小南は、その独自の落語スタイルと数多くの名演で、上方落語の発展に寄与した。彼の芸を受け継ぐ落語家たちによって、彼の教えや思想は今もなお生き続けている。

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