桃井保子

桃井 保子（ももい やすこ、1951年1月生まれ）は、日本の著名な歯科医師であり、歯学者です。

経歴

1976年に鶴見大学歯学部を卒業後、同大学の第一歯科保存学教室でキャリアを開始しました。助手として勤務した後、講師に昇進し、長年にわたり教育・研究活動に従事しました。2003年からは、現在の保存修復学講座の前身である同教室において教授職に就任し、後進の指導と研究の推進に尽力しています。

学術的な探求も深く、1984年には鶴見大学から歯学博士の学位を授与されました。その際の学位論文「ガルバニー電流の発生機構に関する新しい考察」は、歯科材料におけるガルバニー電流の問題に対して新たな視点を提供するものでした。

研究と教育

専門分野は保存修復学、特に歯の接着やコンポジットレジンを用いた修復、そしてミニマルインターベンション（MI、可能な限り歯質を削らずに治療する方法）に重点を置いています。大学教授として、これらの先進的な歯科医療技術の教育と研究を主導しています。

学会活動

日本の歯学界において、多岐にわたる学会で指導的な役割を果たしています。現在、日本接着歯学会の会長を務めているほか、以下の学会で理事や評議員、常任理事、指導医、専門医などの重要な役職を歴任または務めています。

日本歯科医学会（評議員）
日本歯科保存学会（理事、指導医、専門医）
日本歯科理工学会（理事）
日本歯科医学教育学会（元評議員）
日本歯科審美学会（理事）
日本顎咬合学会（評議員）
日本歯科色彩学会（常任理事）
日本医用歯科機器学会（常任理事）
日本歯科産業学会（常任理事）
日本再生歯科医学会（理事）
国際歯科研究学会日本部会（理事）
ナノ・バイオメディカル学会（理事）

これらの活動を通じて、専門分野の発展だけでなく、歯科医学全体の進歩に大きく貢献しています。

著書

桃井保子教授は、歯科保存修復学および関連分野における多くの専門書に関わっています。単著、共著、編著、監修、監訳など、その著作リストは豊富であり、日本の歯科医師や歯学研究者にとって不可欠な参考文献となっています。代表的な著書・関連書籍には以下のようなものがあります。

『保存修復学21』シリーズ（監修、共著など）
『レジン充填でいこう 使いこなしのテクニック』（共著、監修）
『使いこなそうコンポジットレジン Minimal Interventionのための修復テクニック』（編著）
『う蝕治療のミニマルインターベンション 象牙質-歯髄を守るために』（監修）
『口腔にみられる病原体の光と影』（編著）
『臨床歯科理工学』（共著）
『歯冠色修復 充填の基礎とテクニック』（監訳）
『臨床に役立つ 接着修復のすべて』（共著、編著）
『YEAR BOOK 現代の治療指針』シリーズ（編著）
『う蝕学 チェアサイドの予防と回復のプログラム』（編著）
『保存修復クリニカルガイド』（共著、編著）
『隔月刊「補綴臨床」別冊 失活歯のリコンストラクション』（共著）

これらの著作は、保存修復学、接着歯科、歯科理工学、う蝕学、審美歯科など、多岐にわたる分野の知識を日本の歯科医療現場に普及させる上で重要な役割を果たしています。

桃井保子教授の活動は、鶴見大学での教育研究活動、多岐にわたる学会での指導的役割、そして多数の専門書の執筆・監修を通じて、日本の歯学、特に保存修復学および接着歯学の進歩に不可欠な貢献をしています。その学術的業績と教育者としての実績は、日本の歯科医療の質の向上に大きく寄与しています。

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