桐 (樺型駆逐艦)

駆逐艦「桐」（初代）：大正期の活躍とその後

「桐」は、大日本帝国海軍が保有した樺型駆逐艦の10番艦として建造されました。同名艦である松型駆逐艦「桐」と区別するため、「桐 (初代)」または「桐I」と表記されることがあります。

艦歴

1914年（大正3年）11月24日、神奈川県の浦賀船渠で起工。
1915年（大正4年）2月28日に進水。
同年4月23日に竣工し、海軍に編入されました。

竣工後、「桐」は第21駆逐隊に所属。
1918年（大正7年）12月1日から1923年（大正12年）5月10日まで、台湾の馬公要港部（現在の澎湖諸島）の警備任務に従事しました。
その後、1923年（大正12年）12月1日から1925年（大正14年）4月1日まで、中国の旅順防備隊に所属し、同地域の警備にあたりました。

1932年（昭和7年）4月1日、「桐」は除籍されました。
除籍後、長崎県の大村海軍航空隊に所属する標的艦として、大村湾に係留されました。
1937年（昭和12年）3月30日、民間に売却され、その役目を終えました。

歴代艦長

「桐」の艦長を務めた人物は以下の通りです。

巨勢泰八 少佐：1915年3月1日 - 1916年9月12日
神本国太郎 少佐：1916年9月12日 - 1917年6月1日
高木平次 少佐：1917年6月1日 - 1917年12月1日
高橋為次郎 少佐：1917年12月1日 - 1918年5月1日
高橋雄三郎 少佐：1918年5月1日 - 1918年12月1日
神山忠 少佐：1918年12月1日 - 1919年12月1日
西尾三郎 少佐：1919年12月1日 - 1920年12月1日
荒糺 少佐：1920年12月1日 - 1923年11月20日
帖佐敬吉 少佐：1923年12月1日 - 1925年5月1日
大藤正直 大尉：1925年5月1日 - 1926年4月20日
池田久雄 少佐：1926年4月20日 - 1926年6月1日
池田七郎 少佐：1926年6月1日 - 1926年12月1日
安住義一 少佐：1926年12月1日 - 1929年2月14日
小西要人 大尉：1929年2月14日 - 1929年11月1日
瀬戸山安秀 大尉：1929年11月1日 - 1930年12月1日
加瀬三郎 少佐：1930年12月1日 - 1931年4月1日

参考文献

海軍省/編 編『海軍制度沿革 巻十の1』 明治百年史叢書 第182巻、原書房、1972年4月（原著1940年）。
海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第9巻、第10巻、第一法規出版、1995年。
片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』光人社、1993年。 ISBN 4-7698-0386-9
片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝＜普及版＞ 全八六〇余隻の栄光と悲劇』潮書房光人社、2014年4月（原著1993年）。ISBN 978-4-7698-1565-5。
『世界の艦船増刊第34集 日本駆逐艦史』、海人社、1992年7月。
『世界の艦船増刊第107集 日本駆逐艦史』海人社、2012年12月。
日本舶用機関史編集委員会/編 編『帝国海軍機関史』 明治百年史叢書 第245巻、原書房、1975年11月。
福田啓二/編 編『軍艦基本計画資料』今日の話題社、1989年5月。ISBN 4-87565-207-0。
防衛庁防衛研修所戦史室『海軍軍戦備＜1＞ 昭和十六年十一月まで』 戦史叢書第31巻、朝雲新聞社、1969年。
堀元美『駆逐艦 その技術的回顧』原書房、1969年。ISBN 4-562-01873-9。
衣島尚一「日本海軍 駆逐艦の系譜1～黎明期から睦月型の誕生まで～+日本の駆逐艦・キット総点検(1)」『艦船模型スペシャル』No.17、モデルアート社、2005年9月。
森恒英『軍艦メカニズム図鑑 日本の駆逐艦』グランプリ出版、1995年1月。ISBN 4-87687-154-X。
『写真日本海軍全艦艇史 Fukui Shizuo Collection』資料編、KKベストセラーズ、1994年。
アジア歴史資料センター（公式）(防衛省防衛研究所)
『大正4年 公文備考 巻41 艦船1/中型巡洋艦製造一件 桐、樺、桂、杉、柏、松、榊、楓、栂、楠(2)』。Ref.C08020599400。
『大正4年 公文備考 巻41 艦船1/中型巡洋艦製造一件 桐、樺、桂、杉、柏、松、榊、楓、栂、楠(3)』。Ref.C08020599500。

関連項目

* 大日本帝国海軍艦艇一覧

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