桐原城

桐原城 (きりはらじょう) について

桐原城は、長野県松本市に位置する山城で、県指定史跡「小笠原氏城跡」を構成する山城群の一つです。この山城群は、埴原城跡、山家城跡、桐原城跡、林小城跡から成り立っており、桐原城はその中でも重要な役割を果たしていました。標高948メートルに位置し、周囲の山々を見渡せる戦略的な要所でした。

歴史

桐原城は、信濃国守護であった小笠原氏の家臣、桐原氏の主城として築かれました。『信府統記』によれば、寛正元年（1460年）に桐原大内蔵真智によって築城されたと伝えられています。この城は、桐原氏の拠点として、地域を統治するための重要な役割を果たしていました。

しかし、戦国時代の動乱期には、武田氏の勢力が拡大し、桐原城もその影響を受けることになります。天文19年（1550年）、武田晴信（後の武田信玄）の軍勢による攻撃を受け、林城とともに落城しました。これにより、桐原氏は城を失い、この地域の勢力図は大きく変動しました。

構造

『長野県町村誌』には、本丸は東西16間、南北15間と記録されており、当時の城の規模をうかがい知ることができます。現在も城跡には、石垣や土塁の一部が残っており、往時の姿を偲ぶことができます。これらの遺構は、当時の築城技術や城の構造を研究する上で貴重な資料となっています。

現在の状況

現在、桐原城跡は史跡として整備されており、歴史愛好家や観光客が訪れる場所となっています。城跡からは、周囲の山々や松本市街を一望でき、その景観は訪れる人々を魅了します。また、城跡はハイキングコースとしても利用されており、自然を楽しみながら歴史に触れることができる場所として親しまれています。

まとめ

桐原城は、戦国時代の激しい戦いを経て、現在に至るまでその歴史を伝えています。小笠原氏と桐原氏の歴史を語る上で欠かせない城跡であり、その遺構は、当時の武将たちの息吹を感じさせてくれます。松本市を訪れる際には、ぜひ桐原城跡を訪れて、その歴史と景観を堪能してみてはいかがでしょうか。

参考文献

信濃史学会編 『信州の山城 信濃史学会研究叢書2』 1988年

関連項目

川中島の戦い
日本の城一覧
松本市の名所・旧跡
松本市の歴史

外部リンク

桐原城周辺地図／Yahoo!地図情報

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