桐原氏について
桐原氏は、日本の
氏族の一つであり、複数の系統が存在します。
丹党桐原氏
武蔵七党の一つである丹党から派生した桐原氏です。『姓氏
家系大辞典』によると、この
氏族の発祥の地は
上野国山田郡桐原村であると推測されています。
もう一方の桐原氏は、
平氏を
本姓としています。
家系は桓武
平氏の祖である高望王の子、平良文の5代目の子孫である
鎌倉景正(鎌倉氏)の流れを汲む大庭氏の分流で、現在の藤沢市桐原が本貫とされています。
佐竹氏家臣としての桐原氏
常陸国の
佐竹氏の家臣の系譜である『諸士系図』には、桐原氏の記録が複数見られます。佐竹義宣の秋田
転封に桐原茂左衛門が随行したという記録や、別流の桐原氏の記録も残されています。
佐竹家臣としての桐原氏で最初に確認されるのは桐原弥二郎景永であり、
天永年間に没したとされています。景永には四人の子がおり、それぞれ弥二郎景広、蔵人秀貞、助進秀兼、太郎右衛門景光と名乗りました。
景広:一子である秀景は、須田盛秀より諱を授かり、主君である義宣の秋田転封に随行し、秋田藩内で50石の采地を賜りました。
秀貞:須賀川城主である須田氏の家臣となり、
陸奥国須賀川に住みました。
秀兼:一子である景綱も秋田に随行し、平鹿郡横手に住んだとされています。景綱の跡は、木村直通の子が養子となり、弥十郎景直と名乗りました。
景光:水戸に住んだとされています。
桐原氏の系譜
桐原氏の系譜の一部は以下の通りです。
桐原茂左衛門 - 茂兵衛 - 正備 - 茂平太(料理人として仕えたとされています)。
桐原景永 - 景広 - 秀景 - 景信 - 景親 - 景渡(横手で80石を受けたとされています)。
尊王志士・義民としての桐原氏
幕末には、尊王志士・義民として活躍した桐原氏の人物もいました。
桐原哲蔵:小十人組。桐原源五郎重浪の次男。諱は重綱。天狗党の乱にて天狗勢に加わり、元治元年(1864年)10月5日、那珂湊峰山にて討ち死にしました。享年28。靖国神社に合祀されています。
桐原虎之介:
那珂郡野口村の百姓。天狗党に加わり、
元治元年(
1864年)9月12日、鹿島郡大船津で斬首となりました。靖国神社に合祀されています。
桐原幸吉:常陸国那珂郡照田村の百姓。慶応元年(1865年)6月2日、江戸佃島で獄死しました。靖国神社に合祀されています。
参考文献
明田鉄男 編『幕末維新全殉難者名鑑』 1巻、
新人物往来社、1986年6月。
ISBN 4404013353
太田亮「国立国会図書館デジタルコレクション 桐原 キリハラ」『姓氏家系大辞典』 第2、上田萬年、三上参次監修、姓氏家系大辞典刊行会、1934年、1999-2000頁。全国書誌番号:47004572
常陸太田市史編さん委員会 編『佐竹家臣系譜』
常陸太田市〈
常陸太田市史編さん史料 19〉、1982年3月。 NCID BN12281310
外部リンク
* 秋田県立公文書館ウェブサイト 系図目録I (PDF)