桑田さんのお仕事 07/08 〜魅惑のAVマリアージュ〜

桑田佳祐『桑田さんのお仕事 07/08 〜魅惑のAVマリアージュ〜』：2007年ソロ活動の集大成

2008年3月12日、タイシタレーベルより発売された桑田佳祐のライブビデオ『桑田さんのお仕事 07/08 〜魅惑のAVマリアージュ〜』は、2007年の彼の精力的な活動を凝縮した、DVDとCDのセット作品です。DVDには、5年ぶりとなる全国ソロツアー『呼び捨てでも構いません!!「よっ、桑田佳祐」SHOW』の最終公演、2007年12月31日から2008年1月1日にかけて横浜アリーナで行われた年越しライブの模様が収録されています。

このライブは、2007年に3枚ものシングルを発表し、精力的な活動を展開した桑田佳祐にとって、その集大成ともいえるイベントでした。そのため、DVDには、彼の代表曲の数々が、当時の熱気と興奮を余すことなく捉えられています。

収録されている楽曲は、彼のソロ活動の集大成を象徴するような選曲となっており、『哀しみのプリズナー』、『BAN BAN BAN』、『いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)』、『男達の挽歌 (エレジー)』、『NUMBER WONDA GIRL 〜恋するワンダ〜』、『MY LITTLE HOMETOWN』、『MERRY X'MAS IN SUMMER』、『スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)』、『BLUE 〜こんな夜には踊れない』、『白い恋人達』、『こんな僕で良かったら』、『遠い街角 (THE WANDERIN' STREET)』、『地下室のメロディ』、『東京ジプシー・ローズ』、『東京』、『月』、『風の詩を聴かせて』、『明日晴れるかな』、『ダーリン』、『悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)』、『波乗りジョニー』、『真夜中のダンディー』、『ROCK AND ROLL HERO』など、ライブ定番曲に加え、演奏順序も巧みに構成されています。また、サポートメンバーによる賛美歌や、「(They Long to Be) Close to You」といった楽曲の演奏も挟まれ、ライブならではの演出も収録されています。

さらに、2007年の出来事を風刺した「漫画ドリーム07」や、新曲「ONE DAY」、「可愛いミーナ」、「祭りのあと」も収録。特に「祭りのあと」は、最後のサビの歌詞が変更されているなど、ライブならではの演出も見逃せません。そして、ソロツアーの締めくくりとして披露された「希望の轍」は、桑田佳祐一人による演奏で、静寂と感動に包まれたパフォーマンスが収められています。

一方、CDには2007年に発表されたソロ楽曲9曲に加え、新曲1曲「DEAR MY FRIEND」と、桑田佳祐の妻である原由子の楽曲「大好き!ハッピーエンド」がボーナストラックとして収録されています。収録されている楽曲は全てリマスタリング済みで、音質が向上されています。新曲「DEAR MY FRIEND」は、アサヒ飲料「WONDAモーニングショット」CMソング、ユニクロ「LifeWear」CMソングにも起用され、本作で初めて収録された楽曲です。その後、2017年に配信が開始され、2022年にはベストアルバム『いつも何処かで』にも収録されるなど、広く親しまれる楽曲となりました。

CDには、シングル曲だけでなく、カップリング曲なども収録されており、その年の桑田佳祐の音楽活動の全貌を垣間見ることができます。

『桑田さんのお仕事 07/08 〜魅惑のAVマリアージュ〜』は、単なるライブ映像作品にとどまらず、2007年の桑田佳祐の音楽活動の集大成であり、その年の彼の音楽性や表現力の幅広さを示す貴重な作品となっています。タイトルに含まれる「AV」は、オーディオ・ビジュアルの略称であり、別の意味合いは意図されていないと桑田自身も語っています。この作品を通して、彼の音楽に対する情熱と、その才能の大きさを改めて確認することができるでしょう。

参加ミュージシャンは、桑田佳祐自身に加え、斎藤誠、角田俊介、河村“カースケ”智康、片山敦夫、深町栄、三沢またろう、山本拓夫、西村浩二、清水美恵、安奈陽子など、豪華な面々が名を連ねています。新曲「DEAR MY FRIEND」には、井上富雄、鎌田清、斎藤ネコ、グレート栄田、山田雄司、藤巻亮一、田中康太朗、角谷仁宣なども参加しています。

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