桜島赤水町

桜島赤水町

桜島赤水町は、鹿児島県鹿児島市に属する町で、桜島の西部に位置しています。かつては旧大隅国大隅郡桜島郷赤水村であり、幾度かの変遷を経て現在の形となりました。2020年4月1日現在の人口は273人、世帯数は151世帯です。

地理

桜島赤水町は、桜島の南岳西麓に位置し、北は大正溶岩で隔てられた桜島横山町、南は野尻町に隣接しています。西側は鹿児島湾に面しており、海岸部には集落が集中しています。この地域は、大正大噴火の際に大量の溶岩流によって大部分が埋没した歴史を持ちます。

自然

溶岩流が固まった大正溶岩の上にはクロマツの自生林が広がり、ネズミモチやノリウツギなどの陽樹も見られます。海岸部にはダンチクやケカモノハシの群落があり、ハマゴウやススキなども自生しています。かつては桜島の北東海上にある新島、硫黄島、中ノ島も赤水町に含まれていましたが、2006年に新島町として分割されました。

自然公園・自然保護地区

赤水町の一部は霧島錦江湾国立公園に指定されており、特別区域特別保護地区や第1種、第3種特別地域、普通地域から構成されています。これは、この地域が持つ貴重な自然環境を保護するための措置です。

山岳・河川

町内には引ノ平や愛宕山といった山岳、引ノ平川（水無川）といった河川が存在します。これらの地形が、赤水町の景観を形成する重要な要素となっています。

歴史

赤水の成立と中世

「赤水」という地名は室町時代から見られ、島津氏の史料にもその名が登場します。当初は向島の一部であり、時代とともにその所属や領主が変化しました。

近世の赤水

江戸時代には大隅国大隅郡桜島郷に属し、ハゼノキ栽培が盛んで、櫨を保管する倉庫が多く置かれていました。また、沖合には烏島がありましたが、大正大噴火で埋没しました。安永大噴火では住民が鹿児島城下に避難し、その影響で隆起した島が新島と呼ばれました。寛政12年には、赤水村と黒神村から13名が新島に移住し、新島は赤水村の一部となりました。

赤水砲台

嘉永年間には、薩摩藩によって赤水に砲台が築かれ、薩英戦争では国分郷や囎唹郡郷の兵が配備されました。西南戦争時には、鹿児島県庁の仮出張所が一時的に置かれるなど、歴史の重要な舞台にもなりました。

町村制施行から鹿児島市編入まで

1889年の町村制施行により、周辺の村々と合併し西桜島村となり、赤水村は大字「赤水」となりました。1914年の大正大噴火では、赤水に溶岩が到達し、集落が埋没。1,881名の住民は避難を余儀なくされ、家屋の多くが焼失しました。噴火後、集落は南東に移転しました。

1973年には西桜島村が町制を施行し桜島町となり、その後、赤水を縦断する国道224号の拡張工事が行われました。2004年には、赤水の採石場跡地で長渕剛の「桜島オールナイトライブ」が開催され、7万5千人を動員しました。このライブを記念し、後にモニュメントや展望広場が整備されました。

鹿児島市編入後

2004年に桜島町は鹿児島市に編入され、大字赤水は桜島赤水町となりました。2006年には、かつて赤水の飛地であった新島、硫黄島、中ノ島が新島町として分割されました。

字域の変遷

詳細な字域の変遷については、過去の記録を参照する必要があります。

人口

1995年以降の人口推移については、国勢調査のデータに基づいています。

施設

公共施設

赤水避難舎、赤水展望広場、「叫びの肖像」、烏島展望所などが設けられています。

寺社

愛宕枚聞神社が地域住民の信仰を集めています。

教育

市立小・中学校の学区は、地域ごとに定められています。

交通

道路

国道224号が町内を縦断しています。

バス

鹿児島市交通局のサクラジマアイランドビューや、鹿児島交通の路線バスが運行しています。

港湾

赤水港は避難港、漁港として利用されています。

まとめ

桜島赤水町は、歴史と自然が豊かな地域であり、大正大噴火の教訓を今に伝える場所です。近年では、長渕剛のコンサート開催地としても知られ、多くの人が訪れる観光地となっています。

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