梁丘賀

梁丘賀（りょうきゅう が、生没年不詳）は、前漢時代に生きた人物で、字は長翁と称しました。彼の出身は琅邪郡諸県です。

若き頃から暗算能力に秀でており、その才能を買われて武騎（ぶき）という役職に就きました。その後、彼は太中大夫（たいちゅうたいふ）であった京房（けいぼう）（魏郡太守の京房とは別人）に師事し、『易経』を学び始めました。さらに京房が斉郡太守（せいぐんたいしゅ）となると、田王孫（でんおうそん）という人物からも易経の教えを受けました。

学問を深めた梁丘賀は、都司空令（としくうれい）という官職に就きますが、罪を犯して罷免され、庶人（しょじん）の身となりました。

しかし、宣帝（せんてい）の時代になると、彼の運命は大きく変わります。宣帝は、京房が『易経』に精通していることを知っており、その門人を捜索させました。その結果、梁丘賀が探し出されたのです。彼は黄門（こうもん）という役所で皇帝の召し出しを待ち、侍中（じじゅう）に学問を教えることになりました。その学識を認められ、宣帝は彼を郎（ろう）という官職に任命しました。

その後、梁丘賀は易の占いによって変事を予見するようになります。任宣（じんせん）という人物の子が宣帝を暗殺しようと企んでいることを察知し、事前に防ぐことに成功しました。この功績により、宣帝は梁丘賀を大いに重んじるようになり、太中大夫・給事中（きゅうじちゅう）という役職を与えました。神爵3年（紀元前59年）には、光禄大夫（こうろくたいふ）から少府（しょうふ）という要職に昇進しました。少府は、皇帝の身の回りの品を管理する重要な役割を担っていました。

梁丘賀は官職に在任中に亡くなりました。

彼の学統は、息子の梁丘臨（りょうきゅうりん）に受け継がれました。梁丘臨は、石渠閣（せききょかく）で行われた学術会議に参加し、その議論に貢献しました。さらに梁丘臨は、五鹿充宗（ごろくじゅうそう）や、王吉（おうきつ）の子である王駿（おうしゅん）に学統を伝え、その学問は後世にまで影響を与えました。

梁丘賀は、易経の研究を通じて国家に貢献し、その学問は子孫に受け継がれた、前漢時代を代表する学者の一人と言えるでしょう。

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