魏郡

魏郡（ぎぐん）

魏郡は、中国にかつて存在した郡であり、漢代から隋代にかけて、現在の河北省邯鄲市と河南省安陽市にまたがる地域に設置されていました。その歴史は、時代の変遷とともに、行政区画や名称が変化していく様子を鮮やかに映し出しています。

魏郡の成立と変遷

魏郡は、漢の高祖の時代に初めて設置されました。前[[漢]]の時代には冀州に属し、鄴、館陶、斥丘、沙、内黄、清淵、魏、繁陽、元城、梁期、黎陽、即裴、武始、邯会、陰安、平恩、邯溝、武安といった18県を管轄していました。しかし、王莽の時代になると、魏城郡と改称されました。

後[[漢]]が成立すると、再び魏郡の名称に戻されました。後[[漢]]の魏郡は、鄴、繁陽、内黄、魏、元城、黎陽、陰安、館陶、清淵、平恩、沙、斥丘、武安、曲梁、梁期の15県を管轄しました。213年（建安18年）には、曹操が魏公となると、河東、河内、魏、趙、中山、常山、鉅鹿、安平、甘陵、平原の10郡を封とする魏国が立てられ、魏郡は東西の2部に分割され、それぞれに都尉が置かれました。

晋の時代になると、魏郡は司州に属し、鄴、長楽、魏、斥丘、安陽、蕩陰、内黄、黎陽の8県を管轄するようになりました。

北魏の天興年間には、魏郡は相州の属郡となりました。

東魏の時代には、鄴に首都が置かれたことから、魏郡は魏尹と改められ、鄴、臨漳、繁陽、列人、昌楽、武安、臨水、魏、平邑、易陽、元城、斥章、貴郷の13県を管轄しました。しかし、北斉の天保年間には、魏尹は清都尹と改称されました。

北周の時代には、魏郡は再び相州に属しました。

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止すると、魏郡も廃止され、相州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、相州が魏郡と改称されました。この時の魏郡は、安陽、鄴、臨漳、成安、霊泉、堯城、洹水、滏陽、臨水、林慮、臨淇の11県を管轄しました。

618年（武徳元年）、唐により魏郡は相州と改められ、ここに魏郡の呼称は歴史から姿を消しました。

このように、魏郡は時代とともにその姿を変えながら、中国の歴史に深く関わってきた郡であったと言えるでしょう。

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