梅岳寺

梅岳寺の歴史と変遷

福岡県糟屋郡新宮町立花に位置する梅岳寺は、曹洞宗の寺院で、立花山を山号としています。この寺は、三等法地という格式を持っています。

創建と初期

梅岳寺は、元中2年（1385年）に花谷山神宮寺として創建されたと伝えられています。当初は別の名称でしたが、後に大きな変遷を遂げることになります。

立花家との関わり

天正3年（1575年）3月23日、戦国武将・立花道雪（戸次鑑連）の継母である養孝院がこの寺に埋葬されたことを契機に、寺は立花山養孝院と改称されました。この時、戸次鑑連が開基となり、緒庵禅師が開山となりました。立花道雪自身もこの寺に埋葬されています。

柳河への移転と改宗

立花宗茂が柳河藩に転封されると、立花山養孝院も柳河に移転しました。寛文年間には、立花忠茂によって黄檗宗に改宗され、福厳寺と名を改めました。しかし、万治3年（1660年）頃の柳川藩の史料「忠茂公御代之分限帳」には、下棚町村に「梅岳寺」という寺が存在していた記録があります。これは、後に福厳寺となる寺を指していると考えられます。一方で、立花道雪とその継母の墓は旧所在地に残されたため、梅岳寺旧跡としてその名が残されることになりました。

再興と現在

元禄10年（1697年）、福岡藩主・黒田綱政の正室である心空院が、旧跡に曹洞宗の寺院として梅岳寺を再興しました。心空院は、柳川藩主・立花忠茂の娘で、立花鑑虎の養女として黒田家に嫁いだ人物です。再興の際には、加賀国の大乗寺から卍字禅師を招き、中興開山として迎えました。これにより、寺は立花山梅岳寺と命名され、現在に至っています。

寺の現状と寄進

現在の梅岳寺には、心空院の位牌が安置されています。また、寺の運営のために、黒田家から25石、立花家から30石が寄進されています。

参考文献

堀由蔵「大日本寺院総覧・下巻」（1974年2月10日初版、名著刊行会）
「日本歴史地名大系41・福岡県の地名」（平凡社、2004年）
* 「柳川歴史資料集第3集・柳河藩立花家分限帳」

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