立花忠茂

立花忠茂（たちばな ただしげ）

立花忠茂は、江戸時代前期の大名で、筑後柳河藩の第2代藩主です。初代藩主立花宗茂の甥で養子となり、その跡を継ぎました。初名は貞之、のちに忠之、忠貞と名乗り、最終的に忠茂と改めました。剃髪後は好雪と号しました。

生涯

1612年、立花直次の四男として生まれた忠茂は、生まれた日に実子がいなかった叔父の宗茂の養子となりました。1622年には元服し、江戸幕府2代将軍徳川秀忠から偏諱を受け忠茂と改名、左文字の刀を賜りました。

将軍の相伴衆として江戸に詰めていた養父の宗茂に代わり、1629年頃から事実上藩政を司るようになります。同年には従五位下・左近将監に叙任されました。翌年には永井尚政の娘・長子姫と結婚しました。

1634年には、大御所秀忠の上洛に扈従しました。1637年に島原の乱が勃発すると、忠茂も出陣。原城攻めでは、鍋島勢に呼応して深く攻め入りました。1638年の総攻撃では、自ら詰の丸（本丸）に突入し、落城に貢献しました。

島原の乱後、宗茂の隠居により正式に家督を継ぎ、柳河藩の第2代藩主となりました。藩政の安定に尽力し、1640年には将軍家光から延寿国時の刀を賜りました。1641年には従四位下に叙されています。1642年には柳川城の改修のために幕府より暇をもらいました。

1644年には、将軍家光の命により仙台藩主伊達忠宗の娘・鍋姫と結婚しました。1646年には、永興寺に東照宮を勧請しています。将軍家綱の時代には、侍従、飛騨守に叙任されました。義弟にあたる仙台藩主伊達綱宗が引き起こした伊達騒動では、親類として鎮静化に尽力しました。

1664年に隠居し、家督を四男の鑑虎に譲り、好雪と号しました。1675年に64歳で亡くなり、江戸小石川の徳雲寺に葬られました。

官職履歴

1629年：従五位下 左近将監
1640年：従四位下 左近将監
1657年：侍従
1660年：飛騨守

系譜

父：立花直次
母：永雲院
養父：立花宗茂
正室：長姫（永井尚政の娘）、鍋姫（徳川秀忠の養女、伊達忠宗の娘）

子
長男：早世
次男：早世
三男：立花茂虎
四男：立花鑑虎
六男：立花茂辰
七男：矢嶋茂堅
八男：立花貞晟
九男：矢嶋虎重
四女：久姫
八女：呂久姫
その他子女多数

人物

立花忠茂は、武勇に優れ、島原の乱での活躍は特筆されます。また、藩主としては、藩政の安定に尽力し、柳河藩の基礎を固めました。伊達騒動では、親類として事態の収拾に奔走するなど、その高い政治手腕も示しました。

参考文献

堀田正敦 編『寛政重修諸家譜』
大日本人名辞書刊行会 編『大日本人名辞書』
『日本歴史地名大系第41巻・福岡県の地名』
『新訂寛政重修諸家譜 第2』

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