立花鑑虎

立花鑑虎（たちばな あきとら）

立花鑑虎は、江戸時代前期の大名で、筑後国柳河藩の第3代藩主です。第2代藩主・立花忠茂の四男として生まれました。母は伊達忠宗の娘で、江戸幕府将軍・徳川秀忠の養女である法雲院です。正室には本多康長の娘を迎えています。

幼名は勝千代、通称は大助といい、英山という号を持っていました。諱は、初めは直茂、次いで廣茂、鑑茂と変え、最終的に鑑虎となりました。

生涯

1646年（正保2年）に江戸で誕生しました。1658年（万治元年）には、将軍徳川家綱に初めて拝謁し、1659年（万治2年）には従五位下・左近将監に叙任されました。

1664年（寛文4年）に父の隠居により家督を継ぎ、柳河藩の第3代藩主となります。同年には従四位下に昇格しました。翌年には初めて領国に下り、宗門改めを実施し、領内の検地を行うなど、藩の安定化に尽力しました。また、家中には倹約を命じ、財政の立て直しにも取り組みました。

1670年（寛文10年）には、毛利家預かりとなっていた甲府藩の家老、大田吉成親子を柳河藩で預かることになりました。

1672年（寛文12年）には、父によって幽閉されていた庶兄の茂虎の不遇を憂い、領内山門郡中山村に采地を与え、1676年（延宝4年）にはさらに加増しました。これは、兄に対する鑑虎の配慮を示すエピソードとして知られています。

1676年（延宝4年）には飛騨守に任じられ、1692年（元禄5年）には侍従に改められました。1696年（元禄9年）に隠居し、家督を次男の鑑任に譲り、翌日には剃髪して英山と号しました。

1697年（元禄10年）には、普請方の田尻惟貞に命じて、約7,000坪の広さを持つ別邸「集景亭」を築き、自身の遊息の地としました。この集景亭は、後に会所や御花畠を経て、現在の立花氏庭園となっています。

1702年（元禄15年）に柳河で58歳で亡くなりました。葬所は、鑑虎が開基した霊明寺です。

官位履歴

1659年（万治2年）12月27日：従五位下左近将監に叙任
1664年（寛文4年）12月28日：従四位下に昇任
1676年（延宝4年）12月12日：飛騨守に転任
1692年（元禄5年）12月18日：侍従に兼任

系譜

父：立花忠茂（1612-1675）
母：鍋姫、法雲院（徳川秀忠の養女、伊達忠宗の娘）
正室：真光院（本多康長の娘）
次男：立花鑑任（1683-1721）
生母不明の子女
男子：立花千熊丸（早世）
女子：小出英益継室
三男：立花岩次郎
女子：小野隆幸室
養子
女子：呂久姫、心空院（黒田綱政正室、立花忠茂の八女）

参考文献

堀田正敦 編「国立国会図書館デジタルコレクション 立花氏」『寛政重修諸家譜』。
『新訂寛政重修諸家譜　第2』（続群書類従完成会、1964年）
「柳川市史別冊　図説立花家記」（柳川市史編集委員会編集・2010年）

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