梅田ゲートタワー

梅田ゲートタワー

大阪市北区鶴野町に位置する、地上21階建ての高層オフィスビルです。「梅田ゲートタワー」として知られています。この建物は、鶴野町エリアの都市再開発プロジェクトの一環として計画・建設されました。当初は『（仮称）梅田鶴野町ビル』という名称で呼ばれていました。

建設の経緯と初期の状況

梅田ゲートタワーは、2009年12月にその建設が完了しました。このプロジェクトは、総合商社である丸紅が関西地方において初めて自ら事業主となって手掛けたオフィスビルとして特筆されます。ビルの完成に先立ち、一部では丸紅が当時使用していた大阪丸紅ビルからこの新しいビルへ本社機能の一部を移転させるのではないかという観測も流れましたが、結果として同社の本社移転先は新ダイビルとなりました。

建設過程での問題発覚

竣工から約1年が経過した2010年10月頃、インターネット上に工事関係者によるものと思われる情報が掲載されたことがきっかけとなり、このビルの建設過程における問題が明らかになりました。具体的には、建物の構造を支える鉄骨の一部が、設計で定められた位置から約7センチメートルずれた状態で組み上げられていたことが判明したのです。この事実を受けて、ビルの管理者に対して大阪市からの行政指導が行われました。しかし、問題発覚後、第三者機関によって建物の構造的な安全性が詳細に検証され、その結果、安全性に懸念はないことが確認されています。

その後の利用と所有権の動き

ビルが完成して以降、いくつかの企業がオフィススペースとして利用しています。特に、エンジンや農業機械などを手掛けるヤンマー株式会社は、自社の本社ビルの建て替え工事を行う期間中、仮の事務所を必要としており、2011年12月から数年間にわたり梅田ゲートタワーに仮移転していました。

建物の所有権に関しては、その一部が投資法人によって取得されています。2016年9月21日には、不動産投資信託（REIT）であるアクティビア・プロパティーズ投資法人が、このビルの5階から20階までの区分所有権を取得しました。この所有権の変更に伴い、当該フロアの不動産管理業務（プロパティマネジメント）および、建物を一括して借り上げテナントに転貸するマスターリース業務を担当する企業にも変更が生じました。2018年5月1日付で、これらの業務はそれまで担当していた丸紅リアルエステートマネジメントから、東急コミュニティーへと引き継がれています。ただし、丸紅リアルエステートマネジメントは、ビルの3階および4階部分については、引き続きプロパティマネジメント業務を受託し続けています。

建築に関する基本情報

梅田ゲートタワーの主要な建築情報は以下の通りです。

所在地: 大阪府大阪市北区鶴野町1-33他
竣工時期: 2009年12月
延べ床面積: 22,869.75平方メートル
構造: 鉄骨造を主体とし、一部に鉄骨鉄筋コンクリート造を採用
高さ: 91.07メートル（塔屋を含む）
階数: 地上21階、地下1階、塔屋2階
主な用途: 事務所（貸オフィスとして供用）
建築主（施主）: 丸紅株式会社
設計者: 株式会社昭和設計
施工者: 鹿島建設株式会社

梅田ゲートタワーは、大阪のビジネス中心地である梅田エリアの一角に位置し、オフィスワーカーに利用されています。建設時の構造的な問題が報じられたこともありましたが、安全性が確認され、現在も運用されています。

もう一度検索