東急コミュニティー

株式会社東急コミュニティー

株式会社東急コミュニティーは、東京都世田谷区用賀に本社を構える、東急グループを代表する不動産管理企業です。主にマンション管理の受託運営を主軸としつつ、オフィスビル、商業施設、さらには公共施設のマネジメントやメンテナンス、プロパティマネジメントなど、不動産に関連する幅広い管理業務を手掛けています。

事業と特色

同社は、設立当初こそ東急グループが開発した物件の管理を主な業務としていましたが、近年はその領域を拡大。グループ外の物件管理受託を積極的に進めるほか、PFI事業や指定管理者制度を活用した公共施設の運営・管理にも注力し、事業の多角化を図っています。

特にマンション管理分野においては、1970年の創業以来、半世紀以上にわたる長い歴史と豊富な実績を有しています。管理組合の適切な運営に不可欠な会計管理システムや、長期的な視点に立った建物の維持管理計画（長期修繕計画）の策定システムなど、管理運営の基礎となるシステムを確立・整備してきたパイオオニア的存在でもあります。また、管理組合が支払う委託費の透明性を高めるため、管理業務の内容とそれに伴う費用を明確にメニュー化している点が特徴です。

マンション管理サービスは、管理組合のニーズに合わせて複数のタイプを用意しています。

アトラクト: 管理内容が充実しており、コンシェルジュサービスのような高度なサービスも提供可能なプラン。
コンフォート: 標準的な管理サービスを提供。長期修繕計画や消防計画の作成などは別途費用が発生する場合があります。
エクスペクト: 理事会への担当者出席回数を減らすなど、管理組合が自主的な運営をより重視する場合に適したプラン。

これらの基本プランに加え、管理組合の個別の要望に応じたオプションサービスを自由に組み合わせることも可能です。

会社の歩み

東急コミュニティーは、1970年4月に東急不動産株式会社の不動産管理部門が分離・独立する形で設立されました。設立以来、順調に事業を拡大し、1998年11月には東京証券取引所市場第二部に株式を上場。その後、2000年3月には市場第一部へ指定替えとなりました。事業領域も広がり、1997年にはクイーンズスクエア横浜の管理を開始するなど、大規模物件の実績を積んでいきました。

重要な転機となったのは2013年です。同年2月には、マンション管理会社のコミュニティワンを傘下に持つユナイテッドコミュニティーズを買収し、事業規模をさらに拡大しました。そして、同年9月には東京証券取引所での上場を廃止。10月には、東急不動産、東急リバブルと共に共同で株式を移転し、新たな持株会社である東急不動産ホールディングスを設立。これにより、東急コミュニティーは東急不動産ホールディングスの完全子会社となりました。その後も、2015年に東急ファシリティサービスのマンション管理事業を承継したり、2021年に子会社であるコミュニティワンを吸収合併するなど、グループ内再編や事業効率化を進めています。

主な管理実績

同社は、日本全国で多種多様な物件の管理を請け負っています。2021年度末時点で、グループ全体のマンション管理受託戸数は83万戸を超える膨大な数に上ります。

管理対象はマンションにとどまらず、様々な種類の建物や施設に及びます。

オフィスビル: セルリアンタワー、キャロットタワー、渋谷マークシティ、JPタワー名古屋など
商業施設: 渋谷東急プラザ、クイーンズスクエア横浜、二子玉川ライズ、渋谷スクランブルスクエアなど
文教施設: Bunkamura、慶應義塾大学のキャンパス施設など
公共施設: 新北九州空港、富士山静岡空港、横浜みなとみらいホール、参議院会館（PFI）、仙台空港（PFI）など
ホテル: リーガロイヤルホテル東京、ザ パーク フロント ホテル アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど
* その他: 北海道ボールパークFビレッジなど、スポーツ関連施設の実績もあります。

これらの実績は、同社が培ってきた高い専門性と幅広い対応力を示しています。

東急コミュニティーは、複数の連結子会社を有しており、グループ全体で不動産管理に関する専門的なサービスを提供できる体制を構築しています。東急グループの一員として、地域社会に貢献し、快適で安全な暮らしや環境を支える重要な役割を担っています。

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