森山鋭一

森山鋭一は、1894年に三重県桑名市で生まれ、伊藤伊右衛門の三男として生を受けました。その後、森山兵介の養子となり、新たな人生を歩み始めます。1914年には第八高等学校一部丙を首席で卒業。その学才は早くから注目されていました。1919年には東京帝国大学法学部法律学科を卒業し、内務省に入省。土木局工営課に配属され、官僚としてのキャリアをスタートさせます。1920年には高等試験行政科試験に合格し、その能力を証明しました。

その後、警察講習所教授、埼玉県視学官、帝都復興院計画局制度課、復興局事務官・長官官房計画課など、数々の要職を歴任。1924年には法制局参事官に就任し、法制官僚としての道を本格的に歩み始めます。さらに、賞勲局書記官、行政裁判所評定官、法制局第一部長、同第二部長、企画庁常任参与、企画院参与と、その活躍の場を広げていきました。森山は、その卓越した能力と経験から、各方面で重要な役割を果たしました。

1941年、東條内閣において法制局長官に就任。この時期は、第二次世界大戦へと向かう激動の時代であり、法制面においても重要な局面でした。森山は、1944年までこの職を務め、戦時下の法制を支える重責を担いました。1943年には貴族院勅選議員にも任命され、政治の舞台でも重要な役割を果たしました。貴族院議員としては、1946年まで在任しました。

第二次世界大戦終結後、森山は公職追放の対象となり、1946年から1951年まで公職から離れることとなりました。しかし、1946年には弁護士登録を行い、法曹界での活動を再開します。その後、1952年から1954年まで東京都地方労働委員会会長を務め、戦後の社会復興にも貢献しました。森山鋭一は、激動の時代を生き抜き、法制官僚、政治家、弁護士として、その生涯を社会のために尽くしました。多磨霊園に眠る彼の功績は、今もなお語り継がれています。

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