森末義彰

森末義彰（もりすえ よしあき）は、1904年4月3日に香川県で生まれ、1977年12月17日に生涯を閉じた日本の歴史学者です。東京大学の名誉教授であり、日本の歴史研究に多大な貢献をしました。

生涯と学歴

森末は、1922年に第五高等学校に入学し、1925年に卒業しました。その後、東京帝国大学文学部国史学科に進学し、1928年に卒業論文「江戸初期に於ける演劇と社會との関係」をまとめ、卒業しました。この論文は、彼の後の研究の方向性を示すものとなりました。卒業後は、史料編纂所業務嘱託、史料編纂官補を経て、1936年には史料編纂官となりました。この間、史料編纂所での業務を通じて、歴史研究の基礎を築きました。

戦後、1954年に東京大学史料編纂所教授に就任し、1962年からは所長を務めました。東京大学では、後進の指導にも力を注ぎました。1965年に東京大学を定年退官し、名誉教授の称号を受けました。退官後は、白百合女子大学教授として教鞭をとり、引き続き歴史研究と教育に携わりました。

研究内容と業績

森末の研究は、日本史、特に江戸時代の社会や文化に焦点を当てたものでした。卒業論文のテーマであった「江戸初期に於ける演劇と社會との関係」は、彼の研究の根幹をなすものであり、演劇を通じて当時の社会構造や人々の生活様式を読み解くという斬新な視点を提供しました。また、彼は「国書総目録」の編集委員の一人としても活動し、日本の古典籍の整理と研究に貢献しました。

著作

森末は、多くの著作を遺しました。著書としては、単著は確認されていませんが、共編著としては、以下のようなものが挙げられます。

『歴代詔勅集』 (1938年、岡山泰四共編)
『国史肖像集成』 (1940年、谷信一共編)
『歴代詔勅謹釈』 (1944年、辻善之助共編)
『歴代詔勅選集』 (1944年、辻善之助共編)
『食物史 日本人の食生活の発展』 (1953年、菊地勇次郎共著)
『図説日本文化史大系 第7巻 室町時代』 (1957年、菊地勇次郎共編)
『風俗辞典』 (1957年、日野西資孝共編)
『日本文化史辞典』 (1962年、川崎庸之、和歌森太郎共編)
『学習と受験要語日本史』 (1962年、今村広一、横田重男共著)
『流人帖 伊豆・佐渡・隠岐の流人』(1964年)
『体系日本史叢書 第16 生活史 第2』 (1965年、宝月圭吾、木村礎共編)
『体系日本史叢書 17 生活史 第3』 (1969年、宝月圭吾、小西四郎共編)

これらの著作は、彼の幅広い知識と深い洞察力を示すものであり、現代の歴史研究においても重要な資料となっています。

参考文献

森末の業績をより詳しく知るための参考文献としては、以下のものが挙げられます。

署名なし「東京帝国大学史学科の卒業」『歴史地理』第51巻第4号、日本歴史地理学会、1928年
東京大学百年史編集委員会「第六部 一覧・図表　四 主要人事一覧」『東京大学百年史 資料三』東京大学、1986年
『日本人名大辞典』
日本歴史学会 編『日本史研究者辞典』吉川弘文館、1999年

これらの文献は、森末の生涯と業績を多角的に捉えるための貴重な情報源です。森末義彰は、日本の歴史研究において、その学問的な功績と後進の育成に尽力した人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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