国書総目録

国書総目録（こくしょそうもくろく）

国書総目録とは、古代から1867年までの間に日本人によって著述、編纂、翻訳された書籍の所蔵情報をまとめた目録です。この目録は、岩波書店が発行し、全8巻と索引1巻から成り立っています。また、著作権は国文学研究資料館に譲渡され、2020年からPDF版が無償で提供されています。

編纂の歴史

国書総目録の編纂は、1939年に始まりました。岩波書店の創業者である岩波茂雄の発案を受けて、明治期に発行された『国書解題』を超える質と量を持つ目録の作成が計画されました。編纂は辻善之助を主任として行われ、新村出や森末義彰、市古貞次、亀井孝などの学者が関与しました。1940年には帝国ホテルで計画を公表し、学界の協力を呼びかけました。

この時期、出版法違反に対する抗議の意味もありました。多くの書籍情報が収集され、学者に解題の依頼が行われました。収集した書籍情報は約100万枚にのぼります。

しかし、1945年に太平洋戦争による空襲で印刷所が被害を受け、印刷作業は中断されることとなりました。戦後の1955年には、社会が安定したことを受けて編纂が再開され、1958年には「国書の総合所在目録」として整理が見直されることになりました。これに伴い、目録には約50万点の書籍が収録される予定となりました。

収録基準

国書総目録に収録される書籍にはいくつかの条件があります。日本人（帰化外国人を含む）が著作した書籍は、和文、漢文、英文を問わずに収録されます。また、外国の書籍をそのまま写したものは収録されませんが、日本人が改修や翻訳を行ったもの、注釈が付けられたものは含まれます。ただし、一定の条件に満たないものは除外されることとなっています。

収録は、巻・冊単位ではない単独の書画や地図、古文書は基本的に収録しないという方針が取られています。絵巻物や書画帖は収録対象となる一方、拓本は収録されません。また、浄瑠璃や長唄などの歌謡は一篇として収録されることがあります。

各巻の詳細

国書総目録は、各巻が次のように編纂されています：

• - 第1巻（あ〜お） - 1963年刊行、補訂版1989年・2001年
• - 第2巻（か〜く） - 1964年刊行、補訂版1989年・2001年
• - 第3巻（け〜さ） - 1965年刊行、補訂版1990年・2002年
• - 第4巻（し） - 1966年刊行、補訂版1990年・2002年
• - 第5巻（す〜て） - 1967年刊行、補訂版1990年・2002年
• - 第6巻（と〜ひ） - 1969年刊行、補訂版1990年・2002年
• - 第7巻（ふ〜よ） - 1970年刊行、補訂版1990年・2002年
• - 第8巻（ら〜ん、叢書目録、補遺） - 1972年刊行、補訂版1990年・2002年
• - 著者別索引 - 1976年刊行、補訂版1991年・2003年

2020年以降、国文学研究資料館はオンラインでの無償公開を行い、より多くの人々にアクセスできるようにしています。このように、国書総目録は日本の古典文学や文化を記録し、未来の世代に伝える重要な役割を果たしています。

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