森義八郎

森義八郎は、1900年2月1日に山形県北村山郡大石田町田沢で生まれ、1965年6月25日にその生涯を閉じました。彼は作曲家としてだけでなく、小学校の音楽教師としてもその名を残しています。

教育者としてのキャリアは、高等小学校卒業後に警察勤務や代用教員を経て、独学で小学校教員試験に合格したことに始まります。現在の村山市にあった大槇尋常小学校では、生徒たちの創作活動を奨励し、詩作を通じて子供たちの表現力を育みました。特に、生徒たちの優れた作品を雑誌「赤い鳥」に投稿するなど、積極的な教育指導を行いました。この「赤い鳥」での活動を通じて、北原白秋や西條八十といった著名な詩人たちと交流を深めることができました。その後、上京し渋谷区の大向小学校で教鞭を執りながら、音楽教師として働きつつ作曲活動も精力的に行いました。

作曲家としての森義八郎は、国民歌「紀元二千六百年」を作曲したことで広く知られています。また、「走れトロイカ」のような流行歌から学校の校歌まで、幅広いジャンルの音楽を手がけました。淡谷のり子や東海林太郎など、当時の人気歌手たちにも楽曲を提供し、その作品は1000曲以上にのぼります。

彼の作品の中でも特に有名な「走れトロイカ」は、作詞を松村又一が担当しており、その歌碑は森義八郎の出身地である田沢沼畔に建てられています。

森義八郎は、教育者としての情熱と作曲家としての才能を併せ持ち、日本の音楽文化に大きく貢献した人物でした。彼の作品は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

主な業績

国民歌「紀元二千六百年」作曲
流行歌「走れトロイカ」作曲
その他多数の流行歌、校歌を作曲
淡谷のり子、東海林太郎などの歌手に楽曲提供
「赤い鳥」を通じて北原白秋、西條八十と交流

関連情報
郷土の作曲家　～森　義八郎～ 北村山視聴覚教育センター

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