植松家

植松家：由緒ある公家と華道家元の系譜

植松家は、村上源氏久我家流を祖とする名門の家系です。公家としては羽林家の家格を有し、華族としては子爵家に列せられました。代々受け継がれる伝統と格式に加え、華道家元としての役割も担い、日本の文化に多大な貢献を果たしています。

公家としての歴史

植松家の始まりは、久我家庶流の千種有能の末子、植松雅永に遡ります。雅永は千種家から独立し、堂上家を創設。堂上源氏十家のひとつとして、その名を歴史に刻みました。

江戸時代には130石の家禄を有し、山城国綴喜郡内里村に領地を有していました。明治維新後、旧公家として華族に列せられ、明治17年（1884年）には華族令施行に伴い、子爵に叙せられました。これは、大納言直任の例がない旧堂上家としての特別な叙爵でした。

2代子爵の植松雅道は宮内省に出仕し、主殿寮出張所や陵墓監兼内匠寮出張所長などを歴任するなど、宮廷においても重要な役割を担っていました。昭和前期には京都市左京区下鴨高木町に邸宅を構えていました。

華道「日本生花司 松月堂古流」家元としての歴史

植松家は、華道「日本生花司 松月堂古流」の家元としても知られています。植松家の祖である雅永の系譜から、代々家元が継承されてきました。

特に、7代家元雅言は安政3年（1856年）、孝明天皇に生花を献上し、その美しさは天皇を大変喜ばせました。「日本の生花の司であれ」との言葉を賜り、以後、「日本生花司 松月堂古流」を流名として用いるようになりました。これは、他の松月堂古流との区別化を図るためでした。

松月堂古流の創流は宝暦から明和の頃（1751年～1772年頃）に遡り、学僧の是心軒一露が創始しました。植松家は3代家元から流派を継承し、現在では12代家元が家元を務めています。

系譜と参考文献

植松家の系譜は、『公卿辞典』、『日本史総覧』、『現代華族譜要』、『昭和新修華族家系大成』などの文献を参考に辿ることができます。これらの文献は、植松家の歴史を詳細に記した貴重な資料です。 その他、国立国会図書館デジタルコレクションなどのデジタルアーカイブも、植松家に関する情報を得る上で役立ちます。

植松家の歴史は、公家としての伝統と、華道家元としての文化貢献、そして子爵家としての華麗な歴史を融合させた、日本の歴史における重要な一ページを担っています。その系譜と伝統は、現代においても大切に受け継がれ、未来へと繋がっています。

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