植竹龍三郎

植竹龍三郎（うえたけ りゅうざぶろう）は、1880年（明治13年）8月15日に栃木県那須郡川西町（現在の大田原市）で生まれ、1942年（昭和17年）7月20日に生涯を終えた人物です。実業家、政治家としての顔を持つ一方で、晩年には僧侶（僧名：龍山）となりました。彼は、衆議院議員（立憲政友会、栃木県第1区選出）としても活動しました。

生い立ちと実業家としての活動

植竹龍三郎は、先代植竹三右衛門の次男として生まれました。1901年に高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業後、1903年または1911年に分家し、自身の家を創立しました。彼は朝鮮の清津港を拠点に、対支露貿易業に従事し、現地の日本人会議長や商業会議所会頭を務め、その手腕を発揮しました。

政治家としての活動

1920年の第14回衆議院議員総選挙で、栃木県第1区（宇都宮市）から立候補し、見事当選を果たしました。当時の新聞記事によると、同年12月の第44回帝国議会では、最初に登院した議員の一人として記録されています。しかし、1924年の第15回衆議院議員総選挙では、憲政会系の斎藤太兵衛（無所属）に敗れ、議席を失いました。

実業界と宗教への転身

栃木県選出の衆議院議員として、横田千之助と共に国政に尽力する傍ら、電気、鉄道、鉱業、畜産など多岐にわたる事業会社の社長を歴任しました。しかし、その後、彼は法華経の信仰に深く傾倒し、政治家や実業家としての活動から身を引き、僧侶の道を選びました。その際、旧名の龍三郎を龍山と改めました。彼が社長を務めた主な企業には、帝国商業、朝鮮炭鉱、塩原電車、日光登山鉄道、宇都宮信託、下野電力興業、西澤金山、中宮祠電力などがあります。また、海馬島漁業拓殖、植竹商業の取締役や、朝鮮清津商業会議所会頭も務めました。

宗教と家族

植竹龍三郎は日蓮宗を信仰していました。住所は栃木県宇都宮市塙田町、那須郡川西町、東京市杉並区高円寺町にあり、東京府にも籍を置いていました。

家族構成

父：植竹三右衛門（1854年 - 1933年、栃木県多額納税者、味噌醤油醸造業、栃木県農工銀行頭取、貴族院議員）
兄：植竹三右衛門（1877年 - ?、前名：熊次郎、栃木県多額納税者、東野鉄道、下野木材、帝國造林各社長、川西町長）
弟：植竹喜四郎（1884年 - 1963年、歌人、植竹書院創業者）
妻：スエ（1892年または1893年 - ?、福井、右近権左衛門の妹）
長女：勝（1913年 - ?、厚生省体育官加藤橘夫の妻）
二女（1914年 - ?）
長男：達郎（1916年 - ?、兄・植竹熊次郎の養子、東洋拓殖会社員）
男（1919年 - ?）
三男（1922年 - ?）
四男（1925年 - ?）

親戚

十代目右近権左衛門（日本海上保険社長）
十一代目右近権左衛門（福井県多額納税者、海運業、右近商事社長）

関連事項

植竹龍三郎は、ケーブルカー事業にも関与していました。

参考文献

『東京高等商業学校一覧 明治44-45年』東京高等商業学校、1891-1912年。
人事興信所編『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年。
人事興信所編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年。
人事興信所編『人事興信録 第10版 上』人事興信所、1934年。
衆議院事務局編『衆議院議員略歴 第1回乃至第19回』衆議院事務局、1936年。
人事興信所編『人事興信録 第11版 上』人事興信所、1937-1939年。
人事興信所編『人事興信録 第12版 上』人事興信所、1940年。
人事興信所編『人事興信録 第13版 上』人事興信所、1941年。
* 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

植竹龍三郎の生涯は、実業、政治、宗教という多様な側面を持ち、その変遷は興味深いものです。

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