椎崎二郎

椎崎二郎：終戦の日に散った陸軍中佐

椎崎二郎（しいざき じろう）は、1911年（明治44年）9月20日に生まれ、1945年（昭和20年）8月15日に自決した日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中佐。

生い立ちと軍歴

椎崎二郎は、和歌山県出身で、椎崎豊次郎の息子として生まれました。日高中学校を卒業後、陸軍士官学校予科に進み、1933年7月に陸軍士官学校（45期）を卒業。同年10月には歩兵少尉に任官し、歩兵第8連隊に配属されました。その後、予科士官学校区隊長などを経て、1940年6月には陸軍大学校（53期）を卒業しています。

太平洋戦争と軍務局

陸軍大学校卒業後は、南支那方面軍参謀などを歴任し、太平洋戦争を第23軍参謀として迎えました。その後、第1方面軍参謀などを経て、1944年9月に軍務局課員（軍務課）となります。翌1945年6月には、陸軍中佐に進級しました。

宮城事件と自決

終戦時、椎崎二郎は宮城事件の首謀者の一人として行動しました。しかし、クーデターは未遂に終わり、彼は「至誠通神」と記した遺書を残し、1945年8月15日午前11時過ぎに二重橋と坂下門の間で畑中健二少佐と共に自決しました。この事件は、終戦という日本の歴史的な転換期における軍内部の混乱と、一部軍人の抵抗の象徴として知られています。

親族

椎崎二郎の義父は、陸軍中将の辻邦助です。また、甥には日本画家の岸野圭作がいます。

関連人物

椎崎二郎と関連する人物としては、同じく宮城事件に関与した竹下正彦などが挙げられます。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年
森下智『近衛師団参謀終戦秘史』平成18年～21年、ISBN 978-4-9908114-0-2
* 森下智『川口放送所占拠事件秘史』平成20年、ISBN 978-4-9908114-2-6

椎崎二郎は、激動の時代に生きた一人の軍人として、その行動と最期は日本の近現代史に深く刻まれています。

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