検察事務官

検察事務官とは

検察事務官は、日本の国家公務員（公安職）であり、検察庁に所属する官職です。検察庁法に基づき、検察庁に配置され、二級または三級に区分されます。主な職務は、検察官の指揮のもと、検察庁の事務を掌り、捜査活動を補佐することです。

多くの事務官とは異なり、検察事務官は刑事訴訟法上の捜査機関としての権限を持ち、逮捕や家宅捜索などの強制処分を行うことができます。これは、刑事事件の捜査において非常に重要な役割です。

検察事務官の職務内容

検察事務官は、上官の命令を受け、検察庁の事務を遂行します。具体的には、以下の業務が含まれます。

検察官の補佐: 検察官の捜査活動をサポートし、証拠収集や被疑者への取調べを行います。検察官1人に対して、少なくとも1人の検察事務官が副官として随行します。
捜査活動: 被疑者の取調べ、令状の請求・執行、鑑定の嘱託など、刑事訴訟法に基づく基本的な捜査活動を行います。
事務処理: 検察庁の事務全般を担い、書類作成や資料整理、記録管理などを行います。

検察事務官のキャリアパス

検察事務官には、二級と三級の区分があります。これは、旧奏任官・判任官制度の名残であり、給与の等級とは異なります。二級検察事務官として3年以上の経験を積むと、試験を経て副検事になる道が開かれます。さらに、副検事から検事（特任検事）へと昇進する道も存在します。

採用後は、本人の希望や能力に応じて、法務省、公正取引委員会、防衛省、金融庁などの関連省庁に出向し、幅広い職務経験を積むことができます。また、語学力のある職員は、在外公館での勤務やFBI主催の研修に参加する機会も与えられます。

検察事務官の身分証明

検察庁外で職務を行う際には、旧警察手帳風の「検察事務官証票」を携帯しています。これは、関係者からの呈示請求があった際に提示する身分証明書です。徽章は、五三桐花紋に「検察」の文字が入ったもので、検察官のものとは異なるデザインとなっています。

検察事務官が任命される役職

検察事務官は、法務省訓令である検察庁事務章程に基づき、以下の役職に任命されることがあります。

事務局長、事務局次長、課長、室長などの管理職
通訳、翻訳、採証、電信などの専門職
検察監査官、監査専門官、検察広報官、検務監理官、統括検務官、検務専門官
首席捜査官、次席捜査官、統括捜査官、主任捜査官などの捜査部門の役職
検察官事務取扱検察事務官（略して検取）

検察官の人員不足を補うため、法務大臣は区検察庁の検察事務官に検察官の事務を代行させることがあります。これを検察官事務取扱検察事務官といい、主に軽微な事件の取調べを担当します。

検察事務官の採用

検察事務官は、人事院が実施する国家公務員採用試験（大卒程度試験または高卒者試験）の合格者から、各地方[[検察庁]]単位で採用・任官されます。

検察事務官が登場する作品

検察事務官は、テレビドラマや映画などのフィクション作品にも登場することがあります。

HERO (テレビドラマ)|HERO_(テレビドラマ)
検事の死命
検察側の罪人

関連法規・制度

検察庁法
刑事訴訟法

関連リンク

検察事務官の職務内容
* 検察事務官の幅広い職場と仕事

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