楊淑美

楊 淑美（よう しゅくび）

楊淑美は、東京都港区に生まれた日本のミュージカル女優であり、ボイストレーナーとしても広く知られています。1963年に華僑の両親のもとで生まれた彼女は、幼少期から音楽や舞台に親しみ、特に『ジーザス・クライスト・スーパースター』や『コーラスライン』に感銘を受けてショービジネスを志しました。

彼女は1982年に聖心インターナショナルスクールを卒業後、宝塚音楽学校に入学。1984年に宝塚歌劇団に第70期生として入団し、『風と共に去りぬ』を初舞台に「碧海 蓮（あおみ れん）」という名で花組の男役として活動を始めました。その後の数年間、彼女は舞台で多くの役をこなしながらキャリアを積んでいきます。

1986年には『微風のマドリガル／メモアール・ド・パリ』の千秋楽をもって宝塚歌劇団を退団。彼女はその後イギリスに留学し、王立ウェールズ音楽演劇大学やギルドホール音楽演劇学校で声楽を学びました。1989年にはミュージカル『ミス・サイゴン』の初演キャストとして、ロンドンのドルリー・レーン劇場に出演し、約2年間アンサンブルや主要な役で活躍しました。

日本に帰国した後は、ミュージカルやコンサートでの活動を再開。1996年には宝塚歌劇団で『エリザベート -愛と死の輪舞-』の歌唱指導を担当し、ボイストレーナーとしてのキャリアをスタートさせました。その後、1998年には再度イギリスに渡り、王立音楽院のミュージカルシアターコースでメアリー・ハモンドの指導を受け、専門的な歌唱法を学び、修士号を取得します。

彼女が歌唱指導を担当した作品には、宝塚歌劇団や東宝ミュージカル、さらには多くの著名な演出家の作品が含まれており、その活動は非常に多岐にわたります。主な歌唱指導としては、エリザベートシリーズの作品やウエストサイド物語、ベルサイユのばらなど、数多くの著名なミュージカル公演があります。

特に、彼女の指導が評価されている様々な作品は、観客に大きな感動を与えてきました。続いて、彼女が関わった主な作品の一部を以下に示します。

主な公演

• - エリザベート -愛と死の輪舞- 1996年2月16日（雪組）
• - ハウ・トゥー・サクシード -努力しないで出世する方法- 1996年6月21日（花組）
• - ウエストサイド物語 1998年2月13日（月組）
• - 砂漠の黒薔薇 2000年1月1日（宙組）
• - ベルサイユのばら2001 -オスカルとアンドレ編- 2001年3月30日（星組）
• - カステル・ミラージュ -消えない蜃気楼- 2001年11月16日（宙組）
• - ロミオとジュリエット 2012年1月1日（雪組）

また、楊淑美はボイストレーニングに関する著書も手掛けています。代表作には『楊淑美・流ヴォイストレーニングBOOK 目覚めよ!あなたも知らない自分の声』があります。この本は多くの人々に影響を与えており、声の持つ力や表現方法についての新たな視点を提供しています。

彼女は歌唱指導を通じて多くの才能を育て、ミュージカル界における重要な存在となっています。今後の活動にも期待が寄せられる彼女のキャリアは、多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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