楞厳寺 (刈谷市)

楞厳寺：歴史と文化が息づく刈谷の古刹

愛知県刈谷市天王町に位置する楞厳寺は、曹洞宗に属する由緒ある寺院です。神守山を山号とし、釈迦牟尼仏を本尊として祀っています。室町時代中期、応永20年（1413年）に遠江国浜松の普済寺住職であった利山義聡によって創建されました。利山義聡は以前、応永10年（1403年）に海会寺を開山していましたが、境内が狭小だったことから、より広大な土地を求めて楞厳寺を建立したと伝えられています。

楞厳寺は、徳川家康の生母である於大の方とも深い関わりがあります。於大の方は、離縁後に近隣に住んでおり、しばしば楞厳寺に参詣していたと言われています。その後、第7世住職である古堂周鑑の代に、刈谷城主であった水野家の菩提寺となり、現在も境内には水野家廟所が保存されています。この廟所は、水野家の歴史と栄枯盛衰を物語る貴重な史跡です。

寺院の長い歴史と、歴代住職や関係者の尽力によって、楞厳寺には数多くの文化財が伝えられています。愛知県指定文化財として「絹本著色伝通院画像」が、刈谷市指定文化財として「絹本著色水野忠重画像」「絹本著色華陽院画像」「伝通院調度品」「水野家廟所」などが指定されており、歴史的価値の高い寺宝が大切に保管されています。これらの文化財は、室町時代から近世にかけての美術工芸や歴史研究の上で貴重な資料となっています。

近代においては、楞厳寺は碧海郡元刈谷村に所在していましたが、現在は刈谷市天王町に移転しています。交通アクセスは、名鉄三河線刈谷市駅から徒歩で約15分と、比較的アクセスしやすい立地にあります。静かな住宅街の中に佇む寺院は、都会の喧騒を忘れさせてくれる、穏やかな雰囲気に包まれています。

楞厳寺は、単なる寺院としてだけでなく、地域の歴史と文化を伝える重要な拠点となっています。歴史的建造物や貴重な文化財、そして徳川家康ゆかりの寺としての側面など、多くの魅力を併せ持った楞厳寺は、訪れる人々に深い感銘を与え続けるでしょう。静寂の中で歴史と文化に触れ、静かなひとときを過ごしたい方にとって、おすすめの場所です。

アクセス

名鉄三河線 刈谷市駅より徒歩約15分

関連リンク

楞厳寺 刈谷市
* 楞厳寺 愛知エースネット

もう一度検索