榊原政純

榊原政純：若き藩主の影と家の存続

榊原政純（さかきばら まさずみ）は、江戸時代中期に生きた大名であり、播磨姫路藩主、そして越後高田藩の初代藩主を務めた人物です。榊原家9代当主として、その名は歴史に刻まれています。

生涯

享保20年（1735年）、榊原政純は姫路藩主であった榊原政岑の長男として誕生しました。母は側室である谷口氏。幼名は熊千代、小平太と名付けられました。

寛保元年（1741年）、政純がわずか7歳の時、父である政岑が吉原での乱行を咎められ、将軍徳川吉宗から隠居を命じられます。これにより、政純は家督を継ぐこととなりました。同年11月1日、姫路藩から高田藩への国替えを命じられます。これは、父への懲罰の意味合いと、幼少の藩主では西国の要である姫路藩を治めることが難しいという判断によるものでした。

石高は15万石と変わりませんでしたが、高田は雪深い北国であり、陸奥国などに飛び地があるなど、実質的には減封となり、藩財政の悪化を招きました。父・政岑は政純の後見人として藩政に尽力しましたが、寛保3年（1743年）に亡くなりました。

延享元年（1744年）12月11日、小平太政純は病のためこの世を去りました。数え年で10歳という若さでした。幼少であったため将軍への御目見も果たせず、世継ぎも定めていなかったため、榊原家は断絶の危機に瀕しました。そこで榊原家は、幕閣から内密の了承を得て、小平太の異母弟で1歳年下の富次郎政従（後の政永）を小平太政純とすり替え、家の存続を図ったのです。

系譜

父：榊原政岑
母：谷口氏（側室）

脚注

* 末期養子#藩主のすり替えの例

榊原政純の生涯は、幼くして藩主となり、その短い生涯を終えた悲劇的なものでした。しかし、その死後、家を守るために行われた藩主のすり替えという異例の事態は、当時の社会情勢や大名家の苦悩を物語るものとして、今に語り継がれています。

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