槌田満文

槌田満文（つちだ みつふみ）

プロフィール

槌田満文は、1926年12月3日に東京・浅草の鳥越で生まれ、2011年5月31日に亡くなった日本のジャーナリストであり、日本近代文学の研究者です。武蔵野大学の名誉教授を務めました。

生い立ちと学歴

槌田満文の父は、和服の紋章上絵師として著名で、安藤鶴夫の直木賞受賞作「巷談本牧亭」に登場する「紋啓」老人（土田啓吉）のモデルとなりました。槌田は1944年に東京高等師範学校附属中学校（現在の筑波大学附属中学校・高等学校）を卒業しました。この中学校の同期には、小説家の星新一、映画監督の今村昌平、元北海道情報大学学長の大野公男、映画監督の児玉進、元日本興業銀行会長の黒澤洋、東京大学名誉教授の星野英一など、各界で活躍する著名人が名を連ねていました。

1952年には、慶應義塾大学国文科を卒業しました。

ジャーナリストとしての活動

大学卒業後、槌田は創元社の編集部に所属し、その後、東京新聞社に入社して文芸記者として活躍しました。1954年には、木村荘八らとともに書籍「銀座界隈」を編集しました。東京新聞文化部次長時代には、星新一の小説『気まぐれ指数』を連載させるなど、文芸分野において大きな影響力を持ちました。

研究者・教育者としての活動

東京新聞社を退社後、槌田は文教大学女子短期大学部教授、武蔵野女子大学（現在の武蔵野大学）教授を歴任し、後進の育成に尽力しました。1990年には日本近代文学館の評議員に就任し、1998年には理事、2001年から2008年まで常務理事を務め、同館の運営に大きく貢献しました。また、東京都江戸東京博物館の運営委員も務めました。

著書

槌田満文は、その幅広い知識と深い洞察力に基づいた多数の著書を執筆しました。主な著書には、以下のようなものがあります。

『名作365日』（河出書房新社、1964年/講談社学術文庫、1982年）
『いい手紙うまい手紙』（文藝春秋、1967年）
『東京文学地図』（都市出版社、1970年）
『実例いい手紙生きた手紙』（池田書店、1977年）
『文学にみる広告風物誌』（プレジデント社、1978年）
『明治大正風俗語典』（角川選書、1979年）
『本の十二カ月』（日本古書通信社、1980年）
『入門文章の書き方』（日本実業出版社、1981年）
『明治大正の新語・流行語』（角川選書、1983年）
『ことばの風物誌』（角川文庫、1985年）
『読書名言集』（日本古書通信社、1985年）
『著者と装幀者』（日本古書通信社、1991年）
『四季ことわざ辞典』（東京堂出版、2001年）

共編著

『文学東京案内』（緑地社、1956年）
『明治東京歳時記』（青蛙房、1968年）
『明治時代東京区分図』（東京堂出版、1976年）
『東京文学地名辞典』（東京堂出版、1978年）
『世相語・風俗語』（三一書房、1985年）
『明治東京名所図会』（東京堂出版、1992年）
『東京記録文学事典 明治元年〜昭和二〇年』（柏書房、1994年）
『故事ことわざ辞典』（成美堂出版、1994年）
『ポケット版ことわざ辞典』（成美堂出版、1995年）
『幸田家の人々』（東京都近代文学博物館、2001年）
『江戸東京職業図典』（東京堂出版、2003年）

参考文献

文藝年鑑2007
文藝家協会ニュース2011年7月

関連項目

* 筑波大学附属中学校・高等学校の人物一覧

まとめ

槌田満文は、ジャーナリスト、文学研究者、教育者として多岐にわたる分野で活躍し、日本の文化や文学の発展に大きく貢献しました。その業績は、多くの人々に影響を与え続けています。

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