双六小屋

双六小屋について

双六小屋は、岐阜県高山市の双六岳と樅沢岳の鞍部に位置する山小屋です。中部山岳国立公園内の飛騨山脈主稜線上にあり、新穂高温泉方面から続く小池新道と、笠ヶ岳方面からの稜線ルートが交わる場所に位置しています。そのため、多くの登山者にとって重要な拠点となっています。

概要

2014年からは、三代目となる小池岳彦氏が経営を引き継ぎました。小池氏は、この双六小屋の他に、わさび平小屋、鏡平山荘、黒部五郎小舎も経営しています。小屋の北側からは、鷲羽岳を間近に望むことができ、素晴らしい眺望が楽しめます。南側には、広々とした平坦な場所があり、双六池とキャンプ指定地が設けられています。標高2,550mのハイマツ帯に位置しており、周辺では多くの高山植物やライチョウなどの動物を観察することができます。

営業期間

通常、営業期間は6月10日から10月20日までです。ただし、小池新道途中にある鏡平山荘の営業は7月10日からとなるため、それ以前の時期に訪れる際は、雪山登攀の技術と装備が必要となります。また、例年7月15日頃までは、秩父沢や秩父小沢に橋が架かっていないため、沢を迂回する必要があります。周辺の山小屋と比較して、小屋閉めが遅いため、比較的長く利用できるのも特徴です。

施設とサービス

双六小屋には、一般客室、個室、フロント、売店、談話室、食堂、簡易水洗トイレ、洗面所、乾燥室、自炊場などの施設があります。入浴施設はありません。公衆衛星電話が利用可能で、談話室ではNTTドコモの携帯電話が利用できる場合があります。また、山岳Wi-Fiの試行設置もされています。小屋の隣には、富山大学の夏山診療所が開設されており、7月25日頃から8月20日頃まで利用できます。無料の給水施設があり、宿泊者以外も利用可能です。

宿泊とキャンプ

宿泊は200人まで可能です。営業期間外には、冬期避難小屋が利用できます。キャンプ指定地には、テント60張り分のスペースがあります。ただし、荒天時には強風が吹き抜けるため、利用が困難になる場合があります。北アルプスは大部分が中部山岳国立公園内であり、キャンプ指定地以外での幕営は禁止されています。

歴史

双六小屋は、1935年に村営小屋として開業しました。第二次世界大戦前後は放置され荒廃しましたが、1950年に小池義清氏が経営を引き継ぎました。1955年には、小池新道が開設され、小屋へのアクセスが向上しました。1962年には、二代目経営者の小池潜氏が小屋の仕事に就き、1980年には東側に増築されました。1988年には、「双六山楽共和国」が建国され、初代大統領に田中澄江氏が就任しました。

近隣の山小屋と登山道

近隣には、鏡平山荘、わさび平小屋、笠ヶ岳山荘、槍ヶ岳山荘、三俣山荘、黒部五郎小舎などの山小屋があります。主な登山道としては、小池新道、裏銀座、西銀座ダイヤモンドコースなどが挙げられます。周辺の山々としては、双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、樅沢岳、槍ヶ岳、弓折岳、抜戸岳、笠ヶ岳などがあります。

参考文献

柳原修一『北アルプス山小屋物語』東京新聞出版局、1990年6月
『北アルプス山小屋案内』山と溪谷社
『ヤマケイ アルペンガイド 上高地・槍・穂高』山と溪谷社
『月刊「山と溪谷」2016年1月号「泊まってよかった山小屋」第2位・双六小屋 主人・小池岳彦さん』山と渓谷社、2016年1月

外部リンク

公式ウェブサイト
山小屋友交会へのリンク'>北アルプス山小屋友交会

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