樟樹市

樟樹市（しょうじゅ-し）

樟樹市は、中華人民共和国江西省宜春市に位置する県級市です。古くから「薬都」として名高く、河北省の安国や安徽省の亳州と並び称されてきました。「薬不過樟樹不霊」（樟樹を通らない薬は効かない）という言葉が残るほど、漢方薬の製造と流通の中心地として栄えてきました。

地理

江西省中部の鄱陽湖平原の南縁に位置し、市域の東南部と西北部は山地丘陵が中心です。中央部には贛江と袁水沿いに平野が広がっており、袁水は市街地の西で贛江に合流しています。

歴史

市域内の呉城郷では、商王朝と同時代の長江流域で栄えた都市遺跡が発掘されており、呉城文化と名付けられています。市の中心部はかつて樟樹鎮と呼ばれ、贛江と袁水が交わる水運の要衝でした。交通の便が良いことから商業が発展し、特に漢方薬の材料取引で栄え、製造も盛んでした。かつては景徳鎮、呉城鎮、河口鎮と並び、江西四大名鎮の一つに数えられていました。

秦代には樟樹鎮は新淦県の治所であり「淦陽」と呼ばれていました。隋代に県治が南の金川鎮に移ると、淦陽は清江鎮と改名されました。南唐時代の938年、高安県から3つの郷が分かれて清江県が設置され、その中心は瀟灘鎮（現在の臨江鎮）に置かれました。その後、清江鎮は樟の林の中にあったことから樟樹鎮と改名されました。

北宋時代の992年には、清江・新淦・新喩の三県を管轄する臨江軍が置かれ、清江がその中心となりました。元代には臨江路、明代には臨江府となり、清代も明の制度が引き継がれました。1949年6月19日に清江県は人民解放軍によって解放され、県人民政府は樟樹鎮に置かれましたが、その後臨江鎮へ移転し、再び樟樹鎮に戻りました。1988年10月26日、清江県と樟樹鎮は廃止され、樟樹市が誕生しました。

行政区画

樟樹市は、以下の街道、鎮、郷によって構成されています。

街道: 淦陽街道、鹿江街道、福城街道、大橋街道、張家山街道
鎮: 臨江鎮、永泰鎮、黄土崗鎮、経楼鎮、昌傅鎮、店下鎮、閣山鎮、劉公廟鎮、観上鎮、義成鎮
郷: 中洲郷、洲上郷、洋湖郷、呉城郷

交通

航空: 市の東南に軍用空港があります。
鉄道: 滬昆線が市内中心部を通り、樟樹駅が設置されています。また、京九線が市域東南部を通過し、樟樹東駅があります。
道路: 滬昆高速道路、S42 東昌高速道路、樟吉高速道路、G105国道が市内を走っています。
水路: 贛江が市内を貫通しており、古くから交通や水運に利用されてきました。市内には贛江鉄路大橋と贛江公路大橋が架かっており、その中間に河港が設けられています。

経済

樟樹市は古くから漢方薬の材料市場があり、現在も中医薬の取引の中心地として機能しています。毎年「薬交会」という催しが開催され、多くの人々が集まります。主な製薬企業としては、樟樹製薬廠や仁和グループが挙げられます。また、酒造りや岩塩採掘も行われています。

名勝

呉城商代遺跡
築衛城遺跡
閣皁山国家森林公園

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