模様 (囲碁)

囲碁における模様とは

囲碁における「模様」とは、盤面上で大きな地になる可能性を秘めた勢力圏のことを指します。多くの場合、隅から辺、そして中央へと広がるように形成されます。模様は、カタカナで「モヨウ」と表記されることもあります。

例えば、盤面の一部分において、ある色の石が広範囲にわたって配置されている場合、その領域は「模様」と見なされます。ただし、模様はまだ確定した地ではなく、相手の打ち込みによって荒らされたり、逆に自分の打ち込みによって拡大したりする可能性を秘めています。

模様の性質

模様は、確定した地とは異なり、その価値が状況によって変動する点が特徴です。確定地は「現金」に例えられるのに対し、模様は「株式などの投資」に例えられることがあります。つまり、模様は、その後の展開次第で大きな利益を生む可能性もあれば、逆に価値を失う可能性も秘めているのです。

模様を築くためには、多くの場合、相手に実利を譲る必要があります。そのため、棋士の棋風は、先に実利を確保するタイプと、相手に地を与えて模様を築くタイプに大別されます。模様を築くことを得意とする棋士は、隅の着点を星や高目など、より高い位置に打つ傾向があります。模様を築くことを目的とした布石としては、三連星などが代表的です。

模様の攻防

模様は、相手からの打ち込みを受ける可能性を常に孕んでいます。この打ち込みに対して、相手の石を攻めて逆に利益を得ることも、模様を形成する目的の一つです。また、ほぼ確定地に近いような固まった模様を「地模様」と呼ぶことがあります。

大模様

特にスケールの大きな模様は「大模様」と呼ばれることがあります。明確な基準はありませんが、盤面全体に及ぶような規模のものを指します。大模様を形成することは、大きな勝利につながる可能性を秘めていますが、その分リスクも伴います。

模様の接点

互いの模様が隣接する箇所は、その後の戦局を左右する重要なポイントとなります。例えば、ある地点に打つことで、自分の模様を拡大し、相手の模様を削減することができます。このように、模様の接点は価値が大きく、しばしば必争点となります。

参考資料

• - 「進化する三連星」武宮正樹著　河出書房新社
• - 「大模様の攻防」李昌鎬著　棋苑図書

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