権正達

権 正達（クォン・ジョンダル）

権正達（クォン・ジョンダル、1936年6月14日生まれ）は、大韓民国の軍人及び政治家としての経歴を持つ著名な人物です。彼は第11、12、15代国会議員を務め、民主正義党の初代事務総長、さらに韓国自由総連盟の8代総裁を歴任しました。また、韓電産業開発の代表取締役社長や韓国産業銀行の理事長としても活躍し、最終的には陸軍准将の肩書を持つ経営学博士です。

略歴

権正達は慶尚北道の安東に生まれ、安東高校を卒業後、陸軍士官学校を第15期生として卒業しました。その後、延世大学校及び檀国大学校で行政修士と経営学の博士号を取得しました。軍人としてのキャリアは、陸軍保安司令部での処長補佐官や人事部長を経て進展し、1978年には釜山地域保安部隊長に任命されました。この地域の保安部隊は、かつては市民から恐れられていましたが、権がその職に就いた後は、当時の政情の変化により、主に軍関連の情報収集に従事していました。

1979年後半、政局が緊迫してくる中で大学への諜報活動を命じられ、同年10月には釜馬民主抗争が発生。この際、戒厳司令官の朴贊兢中将の下で合同捜査団の団長として事態の収拾に努めました。朴正煕の暗殺後、権はソウル司令部に戻り、その後の政治的混乱の中で重要な役割を果たしました。特に、光州民主化運動の背景には彼の行動が影響を与えています。

その後、権は軍を退き、国家保衛立法会議の立法議員として活動し、民主正義党の創設にも携わりました。党の初代事務総長として、彼は1981年から1988年までの間に二度にわたって国会議員を務め、朝鮮半島内外の政治において多大な影響を与えました。しかし、政治の内情や権力の均衡が変わるにつれ、権は次第に孤立し、その後の選挙での敗北を経験しました。

また、1983年には大韓航空機撃墜事件により娘を失うという悲劇にも見舞われました。盧泰愚政権において選挙に出馬するも、当選は果たせず、その後しばらくはアメリカでの生活を選びました。後に、韓国に戻った彼は政治活動を再開し、新韓国党に入党。この期間中にメディア統合に関与したとして告発も受けましたが、無罪を勝ち取ることができました。

1998年には新韓国党がハンナラ党へと変わるなか、政治の舞台での動きを続けましたが、賛同を受けることが難しくなり、再び政界を離れることとなります。その後は韓国自由総連盟の総裁として活動し、多くの団体や教育機関に関わり続けました。

権正達は、軍人としての経験を積みながらも、待機や静けさの中に堅固な意思を秘めた性格の持ち主と評価されています。彼の生涯は、韓国の政治と歴史における華々しい一幕であり、彼自身のキャリアを通じて多くの教訓を隠しています。現在でも彼は地域社会での貢献を続けており、その影響力は続いています。

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